お世話になります。はいさび です。
株価チャートには2~3本の「移動平均線」が描かれています。
移動平均線の代表的な活用方法として「ゴールデンクロスとデッドクロス」がありますが、その他にも有効な使い方があるとのこと。

今回は、「移動平均乖離率」と「グランビルの法則」について学びます。
①移動平均乖離率は、株価(終値)が移動平均線(の平均値)からどれだけ離れているのか?ということを数値化したもの
②移動平均乖離率は、株式が「買われ過ぎていないか?」「売られ過ぎていないか?」という判断基準になる
③グランビルの法則は、株価と移動平均線の位置関係から売買のタイミングをはかる法則
④グランビルの法則は全部で8つある(買いのタイミング(4つ)と売りのタイミング(4つ))
移動平均乖離率とは?

それを踏まえて「移動平均乖離率(いどうへいきんかいりりつ)」について見ていきましょう。
(移動平均乖離率は、証券会社のチャートを見るページなどにあります)


「移動平均乖離率」とは、株価(終値)が移動平均線(の平均値)からどれだけ離れているのか?ということを数値化したものです。
(移動平均線は、一般的に5日(1週間)、25日(1ヶ月)、13週(3ヶ月)、26週(半年)のいずれかが使われます)。

ただし、移動平均線は(ある期間の)平均値のため、株価より遅れて動く性質があります。
そのため、株価が1日で10%以上上昇したとしても、25日移動平均線は過去25日の株価の平均値のため、ほんの数%しか動かないということがよくあります。

株価は移動平均線から大きく離れると、移動平均線へと再び近づいていく傾向があります。
移動平均線より株価が上の場合は「プラス乖離」、株価が下の場合は「マイナス乖離」といいます。

…ところで、“離れすぎ”ってどれくらい離れたときのことをいうの?
日経平均株価のような指数と個別銘柄とでは乖離率の目安が違います。
なぜなら、日経平均株価などの指数は(平均化されているため)堅い値動きをしますが、個別銘柄(とくに新興市場や小型株)は値動きが大きくなることがよくあるからです。
日経平均株価のような指数の場合、
25日移動平均線とプラス乖離率が、5%以上で相場転換が近い(そろそろ下落がくるかも。注意)、8%以上で下落に警戒、10%以上で天井となり、近いうちに下落する可能性がかなり高くなります。

逆に、25日移動平均線とマイナス乖離率が、5%以上で安値圏、8%以上でそろそろ底打ちが近いかも、10%以上で売られすぎで底となり、近いうちに反発(上昇)する可能性がかなり高くなります。

また、個別銘柄の場合、25日移動平均線からの乖離率が10~20%以上になることもよくあります。

グランビルの法則とは?

1960年代に米国の株式新聞記者グランビルさんが考案したもので、今でも多くの投資家に使われているんですよ
「グランビルの法則」とは、株価と移動平均線の位置関係から売買のタイミングをはかる法則です。
移動平均線と株価との乖離やその方向性を見ることで、移動平均線に株価が近づいたり、離れたり、交差(クロス)したときに「買いなのか?」「売りなのか?」を判断することができます。


ですから、ある程度、長期的に見ることで信頼度がUPします。
短期の平均線で見ると、短期間の情報しかないため“ダマシ”があるので気をつけましょう
グランビルの法則は全部で8つあります(買いのタイミング(4つ)と売りのタイミング(4つ))。
【買いのタイミング】
①株価が移動平均線の上へ抜けたら買い
②株価が再び移動平均線の下へ抜けたが、その後すぐに切り返して移動平均線の上へ出たら買い
③株価が下がってきて移動平均線へ近づいたが、再び上昇したら買い
④株価が移動平均線から下へ大きく離れたら買い
【売りのタイミング】
⑤株価が移動平均線から上へ大きく離れたら売り
⑥株価が移動平均線の下へ抜けたら売り
⑦株価が再び移動平均線の上へ抜けたが、その後上抜けしきれずに、移動平均線の下へ出たら売り
⑧株価が上がってきて移動平均線へと近づいたが、再び下落したら売り
まとめ
- 移動平均乖離率は、株価(終値)が移動平均線(の平均値)からどれだけ離れているのか?ということを数値化したもの
- 移動平均乖離率は、株式が「買われ過ぎていないか?」「売られ過ぎていないか?」という判断基準になる
- 日経平均株価のような指数の場合のプラス乖離率は、5%以上で相場転換が近い、8%以上で下落に警戒、10%以上で天井(その後下落)の可能性が高い
- 日経平均株価のような指数の場合のマイナス乖離率は、5%以上で安値圏、8%以上でそろそろ底打ち、10%以上で底(その後反発)の可能性が高い
- 個別銘柄の場合、25日移動平均線からの乖離率が10~20%以上になることもよくある
- グランビルの法則は、株価と移動平均線の位置関係から売買のタイミングをはかる法則
- グランビルの法則は全部で8つある(買いのタイミング(4つ)と売りのタイミング(4つ))

しかし、どのチャート分析も“過去”の結果から導き出したものなので、これからもその通りになるとは限りませんので注意してくださいね。
今回もお疲れさまでした♪
つぎの「株基礎⑭」では「一目均衡表」について学びますよ^^
よろしければ↓こちらへどうぞ
