お世話になります。はいさび です。
日々の「日経平均株価(日経225)」の動きは多くの投資家が注目しますよね?
「日経平均先物」と「日経平均株価」は連動する、「日経平均先物」は「日経平均株価」に影響をあたえる…といわれています。
…が、“先物”って( ゚Д゚)?
今回から5回にわたってザックリと「先物取引」の勉強をしていきたいと思います。
今回は「先物取引とはなにか?」ということと「差金決済」について学びます。
①先物取引は、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日までに、現時点で取り決められた価格で売買することを約束する取引のこと
②先物取引は「買った価格」と「売った価格」との差額で決済する(差金決済)
③決済方法は、約束の期日の前までに「反対売買」する方法と約束の期日に決められた価格で自動的に決済される(最終決済)方法がある
④先物取引は「買いから」も「売りから」もスタートできる
⑤取引を保証するための「証拠金」(担保)が必要(くわしくは「株基礎㉑」にて)
先物取引とは?
先物取引とは?


先物取引は、野菜やコメ、原油など、天候や環境等によって価格が変動するものを一定の値段で売ったり買ったりすることができるため、価格変動の影響を避けるための手段(リスクヘッジ)として利用されます。


農産物、貴金属や原燃料などをあつかうのが「商品先物」。
日経平均株価やTOPIXなどの株価指数や金利(10年物国債など)をあつかうのが「金融先物」です。
両者とも、あつかうモノは違いますが、取引の流れはほぼ同じです。

一体どんな取引なの?
「先物取引」とは、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日までに、現時点で取り決められた価格で売買することを約束する取引です。
(先物取引は、英語では“Futures(フューチャーズ)”=“未来”という意味です)。

ところで、この原資産(げんしさん)って?

先物取引は、「原資産」の価値が決められた期日までにどう動くのか(その価値がどうなるか)?を予想して売買をおこなう取引なんですよ
先物取引は、「デリバティブ」(金融派生商品)と呼ばれるもののひとつです。
(株式、債券、金、原油など、現物市場と連動して価格が変動する商品を対象にした取引。“現物取引から派生した取引”という意味です)。

くわしく教えて!
差金決済とは?

先物取引では、“将来売買するモノ”の価格を“今の時点で決めて”、決められた期日までに売買することを約束します
その場でお金を出してモノと交換をするのが現物取引です。
先物取引は、今の時点で、将来売買するモノの価格を決めて、決められた期間内に売買すると約束(契約)します。

「買い」から取引をスタートしている場合、その期日までにはモノを買わなければならず、
「売り」から取引をスタートしている場合、その期日までにはモノを売らなければなりません。
(先物取引は「売り」からもスタートできます。あとでくわしく説明しますね)。

だからこそ、実際にモノを受け渡す期日を決めているんですよ。
お金とモノの交換をするのは、その期日までに売買したときです


先物取引では「買った価格」と「売った価格」との差額で決済します
このように、差額のみ(利益や損失のみ)の受け渡しをする決済方法を「差金決済(さきんけっさい)」といいます。
先物取引の流れ


取引の流れをわかりやすく説明するためにモノにたとえますね。
たとえば、「金1kgを6ヶ月後の〇日までに1gあたり4,500円で買います」と約束したとしたら…

その買ってから売って出た“差額”が利益(または損失)になるっていうことだね
この場合、売買するときに金が1gあたり5,000円に値上がっていても、取り決めておいた1gあたり4,500円(1kg450万円)で安く買えます。
そして、それを1gあたり5,000円(1kg500万円)で売れば差額の50万円が利益になる…ということです。
(また、その逆で、売買するときに値下がっていたら損失になります)。

約束の期日の前までに「反対売買」(「買った場合は売る(転売)」、「売った場合は買う(買戻し)」)することによって、手仕舞いします(先物契約を解消します)。

それから、もうひとつの決済方法として「最終決済(さいしゅうけっさい)」というものがあります。

売りからもスタートできる




先物取引は“差額”で決済をおこなうので「買いから」も「売りから」もスタートできます
「買い」からスタートした場合は、「売り(返済)」をすれば決済完了。
「売り」からスタートした場合は、「買い(返済)」をすれば決済完了となります。

逆に、値下がりしそう!と予想したら「高く売って、安く買い戻す」
…っていうことができるんだね

先物取引の場合、信用取引と違って、通常の取引手数料以外に、貸株料や金利、逆日歩(ぎゃくひぶ)などのコストがかからないので、「買い」と「売り」のどちらから取引をスタートしても有利不利がありません。

…でも、売買をしても、その売買代金やモノの受け渡しは発生しないっていうけれど、お金やモノがないのに取引の約束は守られるのかな?

…それについてはつぎの「株基礎㉑」で説明しますね^^
まとめ
- 先物取引は、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日までに、現時点で取り決められた価格で売買することを約束する取引のこと
- モノや指数といったさまざまな商品(取引の対象となる資産)のことを原資産という
- 先物取引は「買った価格」と「売った価格」との差額で決済する(差金決済)
- 先物取引は、約束の期日の前までに「反対売買」(「買った場合は売る(転売)」、「売った場合は買う(買戻し)」)することによって、手仕舞いしなければならない
- また、約束の期日までに決済しなかった場合は、決められた価格で自動的に決済される(最終決済)
- 先物取引は「買いから」も「売りから」もスタートできる
- 「買い(ロング)」からスタートした場合は、「売り(返済)」をすれば決済完了。「売り(ショート)」からスタートした場合は、「買い(返済)」をすれば決済完了。
- 先物取引をするためには、取引を保証するための「証拠金」(担保)が必要

つぎの「株基礎㉑」では、先物取引の「口座開設」や「証拠金」について学びますよ^^
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