お世話になります。はいさび です。
今回は、先物取引をする際に必要な「口座開設」と「証拠金」、証拠金の不足によって発生する「追証」について学びます。
①先物取引をするには、先物取引専用の口座を開設する必要がある
②証拠金は、約束の履行を確実なものにするために差入れる金額(担保)のこと
③先物取引は証拠金だけで取引ができる「証拠金取引」のひとつ(手数料はかかる)
④預けた証拠金よりも損失が大きかった場合、追加で証拠金を差し入れなければならない(追証という。追証の対処をせずに放っておくと強制決済されることもある)
先物取引とは?

- 先物取引とは、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日までに、現時点で取り決められた価格で売買することを約束する取引のこと
- 先物取引は「買いから」も「売りから」もスタートできる
- 先物取引は「買った価格」と「売った価格」との差額で決済する(差金決済)
- 決済方法は、約束の期日の前までに「反対売買」する方法と約束の期日に決められた価格で自動的に決済される(最終決済)方法がある
- 取引を保証するための「証拠金」(担保)が必要
先物取引の口座開設

※「先物取引」も「オプション取引」も専用の口座を開設する必要があります。

証券会社のホームページからログインして、口座開設画面から申し込み手続きをします(口座開設・口座管理の費用はかかりません)。
ただし、口座開設基準があり、一定の条件を満たしていなければ口座開設できません。

証券会社によって審査の基準が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょうね
十分な投資の知識、経験、資金があるか、先物取引をする目的は何か…などを問われます。
審査に通れば口座開設完了です(1週間程度かかります)。

このとき、証券総合口座に入金されるので、先物の口座に振り替えなければなりません。
振り替えは証券会社の会員ページからできますよ(数分で反映されます)
なお、「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引には税制上、“特定口座が適用されない”ため、確定申告する必要があります(くわしくは「株基礎㉗」にて説明しますね)。
証拠金とは?


先物取引は、将来そのモノを買う(売る)と約束する取引です。
その約束の証拠として(取引によって損失が出た場合でも決済ができるように)証券会社に一定の金額を預ける必要があります。
(証拠金は決済後に返却されます)。

くわしくは各証券会社のホームページで確認してくださいね
各証券会社は、証拠金の指標となるSPAN証拠金(市場のリスクに応じて金額が変動します)に、独自に設定したSPAN証拠金率を掛けた金額を証拠金としています。


(証券会社に支払う手数料はかかります)
手数料は証券会社によって異なる場合があるので、各証券会社のホームページで要確認です。

少ないお金で大きな取引ができるなんてスゴイ!
先物取引は、証拠金さえ用意すれば「お金がなくても買え、モノがなくても売れる」というメリットがあります。
このような取引を「証拠金取引(しょうこきんとりひき)」といいます。

先物取引は、実際にたくさんお金を持っていなくても、高いリターンを得られる可能性があるんだね!
少ないお金で大きな利益をあげることを「レバレッジ効果」(てこの原理)といいます。
たとえば、10万円の証拠金で100万円の取引ができる場合、レバレッジ効果は10倍となります。
(商品や時期によってレバレッジの倍率は異なります)。

追証とは?
予想とは逆向きに相場が動いて損失が出た場合で、預けた証拠金よりも損失が大きかったら、追加で証拠金を差し入れなければなりません。
保証金率が最低維持率の20~30%未満(証券会社によって異なるので注意)となった場合に追加保証金が発生します。
最低維持率は、事前に各証券会社のホームページで要確認です。

これを「追証(おいしょう)」といいます。
気をつけないと大変なので、余裕を持たせて入金しておきましょうね
証券会社に預けた証拠金を全額使って取引しようとすると、すぐに証拠金が不足する可能性があります。

資金に余裕がないとあぶないよね。
…もし、追証が発生したらどうすればいいの?
「追証」が発生した場合、不足した証拠金を指定された日時までに“全額入金”すれば追証は解消され、取引をつづけることができます。
また、不足した証拠金を入金せずに、すべての建玉(たてぎょく)を反対売買して“損失を確定(損切り)”することで決済することもできます。
(「建玉」とは、反対売買されないまま残っている未決済分のことです。買ったままのものを「買い建玉」、売ったままのものを「売り建玉」といいます)。



また、追証が発生した後で相場の変動により保証金率が上がったとしても、一度発生した追証は自然に減少・解消することはありません。


まとめ
- 先物取引をするには、先物取引専用の口座を開設する必要がある
- 証拠金は、約束の履行を確実なものにするために差入れる金額(担保)のこと(取引する商品によって異なるが約5~20%ほど)
- 先物取引は証拠金だけで取引ができる「証拠金取引」のひとつ(手数料はかかる)
- 少ないお金で大きな利益をあげる「レバレッジ効果」があるが、損失も大きくなるので注意すること
- 預けた証拠金よりも損失が大きかった場合、追加で証拠金を差し入れなければならない(追証)
- 追証の対処をせずに放っておくと強制決済されることもあるので注意

つぎの「株基礎㉒」では「取引単位」と「取引時間」について学びますよ^^
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