お世話になります。はいさび です。
実際に「先物取引」をしなくても、先物は現物に影響をあたえること、先物と現物は連動すること…そして、その理由を知っておいた方が投資する際に参考になると思います。
今回は「SQ」について学びます。
①納会日(最終取引日)までに反対売買をおこなわなかった場合、納会日に「SQ値」によって自動的に決済される
②先物のSQ日とオプションのSQ日が重なる3月、6月、9月、12月の(原則として)第2金曜日を「メジャーSQ」といい、それ以外のオプションSQ日は「マイナーSQ」という
③SQ日に指数構成銘柄の始値で計算された値が「SQ値」となる(225銘柄がすべて寄り付くまではSQ値は確定しない)
④SQ日の寄り付き前は売買高が大きくなり、気配値が大きく動くことがよくある。また、SQ日は裁定取引を解消するのための大量の注文が出る
SQとは?
SQとは?

その「決済期日」が重要ポイントなんですよ

…ところで、その“決められた期日”って、どれくらいの期間なの?

取引の締切月(満期)を「限月」といい、最終取引日(最後の立会日)を「納会日」といいます
たとえば、3月に期限が満了する取引は、3月が限月(げんげつ)です(「3月限(さんがつぎり)」といわれます)。
先物取引は、納会日(のうかいび)の前まではいつでも自由に売買できますが、納会日までに反対売買をおこなわなかった場合は、納会日に「SQ値」によって自動的に決済されます。

「SQ」とは、「特別清算指数」のことです(Special Quotationの頭文字)。
「SQ値」とは、(日経225先物などの株価指数先物取引などを)決められた期日に決済するための特別な価格(最終清算指数)です。


「SQ日」に、指数構成銘柄(日経225先物の場合、225銘柄)の始値で計算された値が「SQ(SQ値)」になるんですよ
ロールオーバーとは?

そういう場合はどうしたらいいの?
一定期間ごとにSQ日を迎える先物取引やオプション取引では、SQ日に保有しているポジションが強制決済によって消滅してしまいます。
そういった場合は、期日(SQ日)前までにいったん決済してポジションを解消し、それより期日が先(次の限月以降)の先物に乗り換えることができますよ。
これを「ロールオーバー」といいます。

一般的に、ロールオーバーは、SQ日の1~2週間前から徐々におこなわれます。
(逆に、期先から期近に乗り換えることを「ロールバック」といいます)。
メジャーSQ、マイナーSQとは?


先物のSQ日は(原則として)翌日の第2金曜日となります。
先物の取引限月は3月、6月、9月、12月の年4回です
先物取引の他に、「オプション取引」というものがあり、毎月取引限月があります(オプションのSQ日は年に12回。(原則として)毎月第2金曜日)。
(オプションとは「権利」のこと。オプション取引は、将来の決められた期日にあらかじめ決められた価格で買う(売る)「権利」を売買する取引です(先物と似ていますが別物です))。

毎月の(原則として)第2金曜日がオプションのSQ日なんだね

それ以外のオプションSQ日は「マイナーSQ」「ミニSQ」ともいわれるんですよ

とくに「メジャーSQ」やその前日は、先物とオプションの決済がからんだ取引が活発になる傾向があります。
この動向は、現物市場にあたえる影響も大きいので、メジャーSQは非常に注目されます。
SQ値とは?

日経平均株価は、構成銘柄(225銘柄)の値段がすべてつかなくても気配値(前日終値や特別気配など)で算出されますが、SQ値は日経平均株価の構成銘柄がすべて寄り付いた後に算出されます。


個別銘柄の場合、ストップ高とかストップ安とかもあるし…

(また、どうしても構成銘柄の値が付かない場合、気配などにもとづいてSQ値が算出されることがあります)
SQ値と日経平均株価との間に価格差(ズレ)が生じることで、日経平均株価がSQ値に一度も届かずに取引を終えることを「幻のSQ」といいます。

「幻のSQ」になった場合、
日経平均株価の方がSQ値よりも高かったら、その後の相場は強い傾向にある。
逆に、日経平均株価がSQ値よりも安かったら、その後の相場は弱い傾向にある。
…と考えられています。
SQは現物株へも影響する
SQは先物やオプションに関するものですが、現物株にも影響を及ぼすことがあります。

そのため、寄り付き前は売買高が大きくなり、気配値が大きく動くことがよくあるんですよ
SQ日の寄り付き前は、225銘柄がストップ高やストップ安などの極端な気配値になっていることもあります。
そういった気配値はほとんど寄り付き前に解消されますが、予想できないような動きになることもあるので、SQ値が出るまでしっかり見ておく必要があります。


「先物売り 現物買い」の現物売り注文と「先物買い 現物売り」の現物買い注文がまとめて出ます



SQ日、とくに「メジャーSQ」には注目だね!
まとめ
- 取引の締切月(満期)を「限月」、最終取引日(最後の立会日)を「納会日」という
- 納会日までに反対売買をおこなわなかった場合は、納会日に「SQ値」によって自動的に決済される
- 期日(SQ日)前までにいったん決済してポジションを解消し、それより期日が先(次の限月以降)の先物に乗り換えることができる(ロールオーバー)
- SQは特別清算指数、SQ値は決められた期日に決済するための特別な価格(最終清算指数)、SQ日はSQ値が算出される日のこと
- 納会日は(原則として)取引限月の第2木曜日(15:15まで)、先物のSQ日は(原則として)翌日の第2金曜日
- 先物の取引限月は3月、6月、9月、12月の年4回。オプションのSQ日は年に12回。すべて(原則として)第2金曜日がSQ日となる
- 先物のSQ日とオプションのSQ日が重なる3月、6月、9月、12月の(原則として)第2金曜日を「メジャーSQ」といい、それ以外のオプションSQ日は「マイナーSQ」という
- SQ日に指数構成銘柄の始値で計算された値が「SQ値」となる(225銘柄がすべて寄り付くまではSQ値は確定しない)
- SQ値と日経平均株価との間に価格差(ズレ)が生じることで、日経平均株価がSQ値に一度も届かずに取引を終えることを「幻のSQ」という(相場に影響をあたえることがある)
- SQ日の寄り付き前は売買高が大きくなり、気配値が大きく動くことがよくある
- SQ日には「裁定取引」を解消するのための大量の注文が出る

長丁場、お疲れさまでした♪
つぎの「株基礎㉕」では「オプション取引」について学びますよ^^
よろしければ↓こちらへどうぞ
