お世話になります。はいさび です。
「先物取引」と「オプション取引」は、似て異なるもの。
どちらも通常の株式投資とはまったく違う投資ですが、日経平均株価にも影響するため、多くの投資家に注目されています。
今回は「先物・オプション取引の基本と確定申告」についてです。
①「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引は、確定申告する必要がある
②(原則として)年間の売買損益合計がプラス(一定の利益以上)の場合、確定申告をおこない、納税する必要がある
③年間の売買損益合計がマイナスの場合、(確定申告の義務はないが)毎年確定申告することで、翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能となる
④「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引では、証券会社から「年間取引報告書」は発行されない(取引の都度発行される「取引報告書」などにより申告書を作成する)
先物・オプション取引の基本のキ

「先物取引」とは、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、現時点で取り決められた価格で売買することを約束する取引のこと。
「オプション取引」とは、特定の商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、現時点で取り決められた価格(権利行使価格)で「買う(売る)権利」を売買する取引のこと。

先物もオプションも、期日=SQ日になったらSQ値によって強制決済されるけれど、SQ日の前までに反対売買することによって手仕舞いすることもできるんだよね

その他にもいろいろな特徴がありますが…たとえば、どちらの取引も、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に直接投資ができます


しかも、信用取引では必要なコスト(金利・貸株料・逆日歩など)がかからないですし…

「先物取引」では、今後株価が上がると予想したら「買い」、今後株価が下がると予想したら「売り」をすることによって利益を狙うんだよね



ただし、損失も大きくなる可能性があるので注意ですよ!


でも、相場が予想とは反対に大きく動いた場合などで、証拠金が不足すると「追証」(追加で証拠金を差し入れなければならない)が発生するので注意!
「追証」を放っておくと強制的に決済されることがあるので気をつけてくださいね!


口座開設基準があり、一定の条件を満たしていなければ口座開設できません
先物・オプション取引をはじめるには、証券会社の証券総合口座の他に、先物・オプション取引専用の口座を開設する必要があります。
(証券総合口座を開設した後で)証券会社のホームページからログインして、先物・オプション口座開設画面から申し込み手続きをします(口座開設・口座管理の費用はかかりません)。
先物・オプション取引の確定申告

ですから、ご自身で確定申告する必要があります
(原則として)年間の売買損益合計がプラス(一定の利益以上)の場合、確定申告をおこない、納税する必要があります。
(年収2,000万円以下の給与所得者であり、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下の場合、また、年間所得が38万円以下の専業主婦・無職の場合は、原則として確定申告は不要です(ただし、これらの場合でも住民税の申告は必要です))。
年間の売買損益合計がマイナスの場合、確定申告の義務は発生しませんが、毎年確定申告することで、翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能です。


基本的には、1年間に確定した利益(反対売買によって得た利益)から売買手数料などの費用を差し引いた金額が課税対象となります(未決済建玉の含み益、含み損は対象外)。
また、「オプション取引」では、「売り手」が受けとったプレミアムは利益、「買い手」が支払ったプレミアムは損失として決済損益に含まれます。


損失を出した年の翌年以後、最長3年間繰越して、翌年以後の利益から控除することができます(その損失を繰り越す期間は毎年必ず確定申告をしなければなりません)。
また、「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引の年間損益は、同じ所得区分・課税方式の商品との損益通算が可能です(株式とは所得区分・課税方式が異なるため損益の通算はできません)。

ですから、確定申告の際は、取引の都度発行される「取引報告書」などにより申告書を作成しなければならないんですよ

1年間に発生した売買差益を計算して、翌年の2月中旬~3月中旬の期間内に確定申告しないと!
申告書を作成するために、印鑑、源泉徴収票、年間損益計算書(1年の取引の損益が計算できるもの)、マイナンバーや本人確認書類(運転免許証など)を用意しておきます。
また、税務署で、確定申告書B(第一表、第二表)、申告書第三表(分離課税用)、先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書、納付書をもらってきます。
税務署へ提出する書類は、確定申告書B(第一表、第二表)、申告書第三表(分離課税用)、源泉徴収票、先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書です。
(損失を繰越す場合は上記の他にも「申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」 を提出(過去3年以内に損失を申告している場合も改めて提出)します)。

まとめ
- 「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引は、確定申告する必要がある
- (原則として)年間の売買損益合計がプラス(一定の利益以上)の場合、確定申告をおこない、納税する必要がある
- 年間の売買損益合計がマイナスの場合、(確定申告の義務はないが)毎年確定申告することで、翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能となる
- 基本的には、1年間に確定した利益から売買手数料などの費用を差し引いた金額が課税対象となる(未決済建玉の含み益、含み損は対象外)
- 「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引の年間損益は、同じ所得区分・課税方式の商品との損益通算が可能(株式とは損益の通算はできない)
- 「日経225先物」「日経225ミニ」「日経225オプション」取引では、証券会社から「年間取引報告書」は発行されない(取引の都度発行される「取引報告書」などにより申告書を作成する)

先物・オプション取引は“複雑な取引”といわれているので、仕組みやリスクをしっかりと理解しておくことが大事ですね。そして、確定申告も忘れずに…(^^)
つぎの「株基礎㉘」では「信用取引」について学びますよ^^
よろしければ↓こちらへどうぞ
