【株基礎㉘】信用取引(1)信用取引の特徴、コスト

株基礎

お世話になります。はいさび です。

株投資には、ふつうの「現物取引」の他にも「信用取引」があります。

自分を信用してもらって、証券会社にお金や株を借りておこなう取引なので、ある程度の投資経験や資産などが必要ですが、ほとんどの投資家が利用しているとのこと。

株価にも当然影響するので、株投資をするにあたって「信用取引」の知識は必須ですね!

今回から8回にわたって「信用取引」の勉強をしていきたいと思います。

今回は、信用取引の「特徴」と「コスト」について学びます。

★今日のポイント★
①信用取引は、証券会社に担保(現金や株式)を預け、証券会社からお金を借りて株を買ったり、株を借りてその株を売ったりする取引(専用の信用取引口座が必要)
②信用取引は「買い」からだけでなく「売り」からも取引をスタートできる
③信用取引には約3.3倍までのレバレッジ効果がある、1日に何度でも回転売買できるといった特徴もある
④信用取引は売買委託手数料と消費税の他に、「信用買い」の場合は金利がかかり、「信用売り」の場合には貸株料や諸経費がかかる

信用取引の特徴

信用取引とは?

株お
株お
株の取引って「現物取引(げんぶつとりひき)」以外にも「信用取引(しんようとりひき)」っていうのがあるんでしょ?
…「信用取引」って、よくわからないけれど、なんだか危険そうだよね?

「現物取引」とは、その時々の市場の時価で計算した売買代金を受け渡す通常の取引のことです(現物ともいわれます)。

株子センセイ
株子センセイ
「信用取引」とは、証券会社に担保(現金や株式)を預け、証券会社からお金を借りて株を買ったり、株を借りてその株を売ったりする取引のことです

信用取引をはじめるには、専用の「信用取引口座」を開設する必要があります
(口座開設については「株基礎㉟」にて説明しますね)

【株基礎㉟】信用取引(8)メリット・デメリット、口座開設
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引の「メリット・デメリット」と「口座開設」についてです。
株お
株お
信用取引って、お金や株を借りて取引するの!?やっぱり怖そう…
株子センセイ
株子センセイ
たしかに「現物取引」にはないリスクはありますが、「信用取引」の仕組みをよく理解して適切に取引していけばメリットも多いんですよ。
リスクを知ることはとても大事なことですので、これから折に触れて説明していきますね
株お
株お
「信用取引」のことを知ることで、“なんとなく恐ろしい”っていうイメージが変わるかもしれないよね!
株子センセイ
株子センセイ
信用取引の特徴は大きく4つあります。①「売り」からスタートできる ②レバレッジ効果がある ③回転売買が可能 ④クロス取引で株主優待をお得にゲットできる…ひとつずつザッと見ていきましょう!

売りからもスタートできる

株子センセイ
株子センセイ
まず、信用取引のひとつめの特徴は「買い」からだけでなく「売り」からも取引をスタートできることです
株お
株お
現物取引は「買い」からしか取引をスタートできないよね…

現物取引は下落相場では利益を出すことができませんが、信用取引の場合、信用売り(「空売り(からうり)」)をすることで下落相場でも利確のチャンスがあります。

株お
株お
上昇相場でも下落相場でも利益を狙えるなんてすごいね!
株子センセイ
株子センセイ
ただし、とくに「空売り」はリスクが大きいので注意が必要ですよ!

(空売りについては「株基礎㉜」にて説明しますね)

【株基礎㉜】信用取引(5)空売りとは?
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引のリスク「空売り」についてです。

レバレッジ効果

株子センセイ
株子センセイ
…それから、少ないお金で大きな利益を狙える「レバレッジ効果(てこの原理)」があるというのもポイントです。
なんと、預けた担保の評価額の約3.3倍までの取引ができるんですよ
株お
株お
約3.3倍の取引!?

たとえば、委託保証金率が30%の場合、30万円の保証金で100万円の売買が可能です。

株お
株お
現物取引は持っている資金内でしか取引できないけれど、信用取引を利用すれば、手持ち資金の約3.3倍の取引をすることができるなんて、資金効率がいいね!

また、保有銘柄を担保にして資金を借りられるので、長期で保有している株を有効に活用できるというメリットもあります。

株子センセイ
株子センセイ
少ない資金で大きな利益を得られるのは魅力ですが、損失も大きくなる可能性があるので注意してくださいね

1日に何度でも回転売買できる

株お
株お
それ以外の特徴も教えて!
株子センセイ
株子センセイ
同じ銘柄を同じ保証金で1日に何度でも回転売買することができる(差金決済が可能)というのも信用取引の魅力です

現物取引には「差金決済規制」があり、1日の内に同じ資金で同じ銘柄の取引は一往復(「買い→売り」または「売り→買い」)のみに制限されています

(差金決済とは、現物の受渡しをおこなわずに「買い」と「売り」の反対売買をして出た差額で決済することです)。

株お
株お
現物取引では、同じ資金で1つの銘柄を1日のうちに「買って→売って→また買う」、「売って→買って→また売る」っていうことができないけれど、信用取引はできるんだね

クロス取引(つなぎ売り)

株子センセイ
株子センセイ
それから、「クロス取引(つなぎ売り)」によって株主優待をお得にゲットできるのも嬉しいポイントです

信用取引では、株主優待を取得することはできません(実際に株券の取引がおこなわれていないため)。

しかし、現物取引の買いと、信用取引の売りを同時に入れる「クロス取引(つなぎ売り)」をすることで株主優待の権利を取ることができます

株お
株お
なにそれ!?クロス取引のやり方を教えて!

欲しい株主優待銘柄がある場合、

①権利付き最終日までに、その銘柄の「現物の買い」をおこないます

②それと同時に「(同じ銘柄・同じ価格・同じ株数の)信用の売り」を入れます(株主優待の権利は、権利付き最終日に現物株を保有していれば取得できます)。

③そして、(権利付き最終日の翌日)権利落ち日に「現物の買い」で「信用の売り建玉」を「現渡(げんわたし)」することで決済します(現物株を信用の売りの返済にあてます)。

(現渡については「株基礎㉛」にて説明しますね)

【株基礎㉛】信用取引(4)返済方法(反対売買、現引・現渡)
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引の返済方法「反対売買」と「現引・現渡」についてです。
株子センセイ
株子センセイ
権利落ち日には株価が下落する傾向にありますが、クロス取引により値下がりリスクを抑えながら株主優待の権利を取ることができるんですよ

株価が動くことで出る損益は現物取引と信用取引で相殺されます。

たとえば、株価500円の銘柄(100株)をクロス取引していたが、権利落ち日に株価が450円になった(50円値下がった)場合、

「現物の買い」は、-50円×100株=-5,000円(損失)
「信用の売り」は、+50円×100株=+5,000円(利益)

…となります。-5,000円と+5,000円が相殺されるので±0(損益なし)になるのです。

株子センセイ
株子センセイ
ですから、現物取引にかかった手数料と、信用取引のコストだけで株主優待の権利を得ることができるんですよ
株お
株お
クロス取引ってすごい!そんなにお得に優待をゲットできるんなら、どんどん利用したいな
株子センセイ
株子センセイ
ただし、クロス取引にも気をつけるべきことがいくつかあるんですよ。
中でも、とくに重要なのが(制度信用取引の場合)「信用売り」に逆日歩が発生する場合があるということです!

人気のある株主優待銘柄は、多くの投資家によってクロス取引されるため、株不足になる可能性が高まります。

株不足になると「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という手数料を(株を借りる)売り方は支払わなくてはなりません。

逆日歩はわずか1日の取引でも生じ、高額になる可能性がある(株主優待の価値以上の出費になることもあります)ので要注意です。

(逆日歩については「株基礎㉝」にて説明しますね)

【株基礎㉝】信用取引(6)逆日歩とは?
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引のリスク「逆日歩」についてです。

他にも、売り方は配当(落)調整金を支払う必要がある、「信用売り」ができる銘柄が限られている…などの注意点があります(証券会社によってルールが異なる場合があります)。

株お
株お
へぇ~!信用取引って現物取引とはずいぶん違うんだね!
株子センセイ
株子センセイ
それから、信用取引には現物取引にはかからないコストがかかる…というのも押さえておくべきポイントですよ

信用取引の手数料・コスト

信用取引の手数料は各証券会社によって異なりますが、売買委託手数料と消費税の他に、(お金を借りる)「信用買い」の場合は金利がかかり、(売却する株を借りる)「信用売り」の場合には貸株料や諸経費がかかります

 信用買い信用売り 
売買委託手数料支払う支払う証券会社によって異なる。
(一般的に取引金額が増えると段階的に増えていく)
信用金利支払う証券会社から借りたお金に対して発生。
証券会社によって異なる。
貸株料支払う証券会社から株を借りるために支払う費用。
証券会社によって異なる。
逆日歩(品貸料)受けとれる場合がある
( 一般信用取引では対象外)
支払う場合がある
(制度信用取引の場合)
売り方が買い方に対して支払う費用。
市場で制度信用取引によって貸借される株式が不足すると発生
事務管理費(管理費)支払う支払う新規建の約定日から1ヶ月経過のたびに建玉ごとに発生。
1ヶ月ごとに1株あたり10銭(税抜)
名義書換料(権利処理等手数料)支払う買い建玉が権利確定日をまたいで建てられている場合に発生。
売買単位あたり50円(税抜)
配当(落)調整金配当のある銘柄の場合、受けとれる配当のある銘柄の場合、支払う配当所得ではなく譲渡損益として計算されるため、配当控除の対象にはならない
株お
株お
売買委託手数料は、株の売買にかかる手数料のことだよね。
信用取引でも現物取引と同じく売買委託手数料が必要なんだね
株子センセイ
株子センセイ
売買委託手数料は証券会社ごとに違いますが(それ以外にもいろいろなコストがかかる、信用取引は取引回数が多い…などの理由により)現物の手数料より安く設定されていることが多いんですよ
株お
株お
コストって積み重なると結構な金額になるから大事だよね!

「信用買い」の場合にかかる金利は、証券会社から借りたお金に対して発生します(証券会社によって異なりますが、信用取引は年利1.35%~3.10%くらい、一般信用取引は年利2.50%~4.10%くらいです)。

「信用売り」の場合にかかる貸株料は、証券会社から株を借りるために支払う費用(制度信用取引で売建てた場合)であり、日数に応じて発生します(証券会社によって異なりますが、年利1.15%くらいです)。

株子センセイ
株子センセイ
ただし、市場の状況によっては「逆日歩」と呼ばれる費用が追加で発生する場合があるので売建する際は要注意です!

(逆日歩については「株基礎㉝」にて説明しますね)

【株基礎㉝】信用取引(6)逆日歩とは?
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引のリスク「逆日歩」についてです。

また、諸経費(事務管理費や名義書換料)もかかります。

事務管理費(管理費)は、新規建の約定日から1ヶ月の間に反対売買で決済をしなかった場合、1ヶ月経過のたびに建玉ごとに発生します((いずれも税抜で)1株あたり10銭(1ヶ月の上限は1,000円、下限は100円)、 建玉の返済約定時に徴収されます)。

名義書換料(権利処理手数料)は、権利確定日をまたいで買建玉を保有した場合に発生します(売買単位あたり50円(税抜)、権利落ち日に差し引かれます )。

株お
株お
…配当(落)調整金って?配当金とは違うの?

配当(落)調整金とは、配当金相当分として処理される金額のことです。

株子センセイ
株子センセイ
信用取引は、実際の株券についての取引がおこなわれていないので、配当金を取得することができません

配当(落)調整金は、配当落ちによる株価の下落を調整するために、売り方から買い方に対して支払われます。

(税法上、配当所得ではなく譲渡所得の計算に含まれます(そのため、配当控除の対象とはなりません。また、配当(落)調整金は配当金の所得税分が源泉徴収された後の金額が対象となります))。

ちなみに、(同じ理由で)信用取引は、株主優待を取得することはできません。株主優待の権利を取りたい場合は…

  • 現物株で購入する
  • 権利付最終日までに「現引(げんびき)」する(お金を支払って現物株で引きとること。(取引に時間がかかるため)権利確定日を含めて3営業日前までに手続きが必要)
  • 「クロス取引(つなぎ売り)」する

という方法があります。

(現引については「株基礎㉛」にて説明しますね)

【株基礎㉛】信用取引(4)返済方法(反対売買、現引・現渡)
「株式投資をはじめてみたい!」初心者さんにもわかりやすい株投資の基礎です。今回は、信用取引の返済方法「反対売買」と「現引・現渡」についてです。
株お
株お
…なるほど。信用取引にはいろいろなコストがかかるんだね。
事前に証券会社のホームページで確認しておかないと!

まとめ

  • 信用取引は、証券会社に担保(現金や株式)を預け、証券会社からお金を借りて株を買ったり、株を借りてその株を売ったりする取引
  • 信用取引をはじめるには、専用の「信用取引口座」を開設する必要がある
  • 信用取引は「買い」からだけでなく「売り」からも取引をスタートできる
  • 信用取引には「レバレッジ効果(てこの原理)」がある(預けた担保の評価額の約3.3倍までの取引ができる)
  • 信用取引は、同じ銘柄を同じ保証金で1日に何度でも回転売買することができる(差金決済が可能)
  • 「クロス取引(つなぎ売り)」によって株主優待をお得にゲットできる
  • 信用取引は売買委託手数料と消費税の他に、「信用買い」の場合は金利がかかり、「信用売り」の場合には貸株料や諸経費がかかる
株子センセイ
株子センセイ
ここまでお疲れさまでした♪
つぎの「株基礎㉙」では「保証金と追証」について学びますよ^^
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