お世話になります。はいさび です。
今回は、信用取引に必要な「保証金」と「追証」について学びます。
①新たに取引をはじめる場合、「委託保証金率30%以上」かつ「最低委託保証金30万円以上」の委託保証金が必要
②最低保証金維持率を割り込むと、保証金維持率が30%以上になるまで追加で保証金(追証)を差し入れなくてはならない
③追証が発生した場合、決められた日までに不足分の金額を証券口座に入金するか、建玉の決済をすることで追証を解消しなければならない(追証を放っておくと建玉が強制決済されることもあるので注意)
④一度発生した追証は、その後株価が動いて委託保証金維持率が回復したとしても、金額が減額されたり、追証が消えたりすることはない
信用取引の保証金
信用取引とは…


信用取引は、お金や株を借りて取引しているため、株価の動きだけでなく信用取引で保有している建玉と、証券会社に預けている委託保証金(担保)の状況をつねに把握し、管理することが重要です。
信用取引に必要な保証金とは?


通常の信用取引では、新規に「信用買い」「信用売り」をおこなうたびに、約定代金の総額に対して(委託保証金率)30%以上の委託保証金が必要であり、最低30万円以上の委託保証金が必要となります。


委託保証金は、原則として売買成立日(約定日)から数えて3営業日目の正午までに差し入れなければなりません。
また、委託保証金率とは、信用取引で新規建玉を建てるために必要な保証金の割合のことです(30%以上であれば証券会社が自由に設定できます)。
委託保証金率=委託保証金(現金+代用有価証券評価額)÷建玉約定代金×100 で算出します。
(たとえば、委託保証金が200万円、建玉約定代金が500万円なら委託保証金率は40%となります)。


委託保証金率が30%以上であっても、その保証金が30万円を満たしていないと信用取引をおこなうことはできません。


現金は100%保証金として認められますが、代用有価証券は各証券会社が定めた「掛目(かけめ)」と呼ばれる保証金換算率によって保証金としての評価が決まります(だいたい前日終値の80%くらいとして計算されることが多いです(例外はあります))。

追証とは?

信用取引の建玉とは反対方向に相場が動いて含み損になった場合、含み損が発生した時点でその全額が委託保証金から差し引かれます。
(「建玉(たてぎょく)」とは、「信用買い(買建)」や「信用売り(売建)」をした後で、まだ反対売買による決済が終わっていないもの(未決済分)です)。
(また、「含み損」と「含み益」の両方が発生している建玉をいくつか保有していても、損益は相殺されず「含み損」だけが維持率の計算に反映されるので注意が必要です)。


もし、含み損が大きくなって、保証金として認められる条件を下回ったらどうなるの?


最低保証金維持率とは、信用取引をしている金額に対して、最低でも常にこれだけは維持しなければならないという保証金の割合のことです(証券会社によって異なりますが、20%~25%くらいです)。

追証が発生した場合、決められた日までに不足分の金額を証券口座に入金するか、建玉の決済をすることで追証を解消しなければなりません。


(証券会社ごとに、保証金維持率の割合によって入金期日や追証の解消方法が異なるなどのルールがあるので事前に確認する必要があります)。

信用取引をはじめる前に、証券会社のホームページで要確認ですよ
追証は証券会社のマイページなどから確認できます。また、証券会社によっては追証をメールで知らせてくれるサービスなどもあります。




①最低30万円以上の委託保証金が必要であり、決められた委託保証金の金額を下回ると追証が発生する
②信用取引のすべての建玉に対して、決められた最低保証金維持率を割り込むと追証が発生する
二階建てとは?

「二階建て」とは、現物株で保有している銘柄と同じ銘柄を信用取引で買うことです。
保有している現物株を信用取引の担保にしながら、同じ銘柄をさらに信用取引で買い建てるという取引方法です。
その銘柄の株価が上昇した場合は、(担保として利用している)現物株の評価が上がるだけでなく、保有している信用取引の建玉の利益も上がるため、大きな利益が得られます。
しかし、株価が下落した場合は、(担保として利用している)現物株の評価が下がることにより保証金維持率が悪化するだけでなく、現物株と信用建玉の評価損も増えてしまうため、大きな損失となるばかりか追証のリスクが高まります。


証券会社によっては「二階建て」を禁止または制限している場合があります。
まとめ
- 新たに取引をはじめる場合、「委託保証金率30%以上」かつ「最低委託保証金30万円以上」の委託保証金が必要
- 現金の他にも、株式などの有価証券も保証金として認められている(代用有価証券)
- 現金は100%保証金として認められるが、代用有価証券は各証券会社が定めた「掛目(保証金換算率)」によって保証金としての評価が決まる
- 新規建時に委託保証金率を満たす保証金を差入れていても、その評価は日々変化していくので注意が必要
- 最低保証金維持率(証券会社によって異なるが20%~25%くらい)を割り込むと「保証金維持率」が30%以上になるまで、追加で保証金を差し入れなくてはならない(追証)
- 追証が発生した場合、決められた日までに不足分の金額を証券口座に入金するか、建玉の決済をすることで追証を解消しなければならない(追証を放っておくと建玉が強制決済されることもあるので注意)
- 一度発生した追証は、その後株価が動いて委託保証金維持率が回復したとしても、金額が減額されたり、追証が消えたりすることはない
- 追証リスクの高い「二階建て」には十分注意すること!

つぎの「株基礎㉚」では「信用取引の種類」について学びますよ^^
よろしければ↓こちらへどうぞ
