お世話になります。はいさび です。
今回は、信用取引の返済方法「反対売買」と「現引・現渡」についてです。
①反対売買は「買ったら→売る(転売)」または「売ったら→買い戻す」ということ
②現引は、株式を売却せず、自分の手元にある現金で株式を引きとること(品受け)
③現渡は、保有している株式(同銘柄・同株数)を差し入れて決済すること(品渡し)
④「信用買い」の場合は「反対売買による返済」か「現引による決済」のどちらかで返済する
⑤「信用売り」の場合は「反対売買による返済」か「現渡による決済」のどちらかで返済する
信用取引の返済方法
信用取引は、証券会社に担保(現金や株式)を預け、証券会社からお金を借りて株を買ったり(信用買い)、株を借りてその株を売ったり(信用売り)する取引です。


制度信用取引は、取引可能な銘柄、借入れた現金や株式を返済する期限などが取引所の規則によって決定されている信用取引です(返済期限は新規建てをおこなった日から6ヶ月以内)。
一般信用取引は、決済の期限や金利、品貸料の金額などを投資家と証券会社とのあいだで自由に決定できる信用取引です(返済期限は原則として無期限)。


信用取引の返済方法には「差金決済(反対売買)」と「現金または株式を証券会社と直接受払いする実物決済(現引・現渡)」の2つの方法があります(通常、反対売買による返済がおこなわれます)。
差金決済(反対売買)とは?
「差金決済」とは、現物の受け渡しをおこなわずに、反対売買による「売り」と「買い」の差額の授受によって返済する方法です。
(現物とは、実際に受渡しすることができる株式などの有価証券のことです)。

反対売買(返済売り・返済買いともいいます)により、一連の取引が終了します(返済し、取引が終わることを手仕舞い(てじまい)といいます)
買建(信用買い)の場合、売却金額-買建金額=損益
売建(信用売り)の場合、売建金額-買い戻し金額=損益 となります。

実物決済(現引・現渡)とは?
また、「実物決済」には、(買建の場合)買建した株式を現物で引き取る「現引」、(売建の場合)建株と同種同量の株式を証券会社に渡す「現渡」という方法があります。


「現引」とは、自分の手元にある現金で株式を引き取ることです(品受けともいいます)。

買建の場合、(買建値×建株数)+諸経費を支払うことで現引できます(新規買建時の委託手数料のみ現引時に徴収されます)。


他にも、今は手元にお金がないけれど、後日お金が手に入る予定がある場合で、今どうしても欲しい銘柄があるとき、信用買いをしておき、予定していたお金が入ったら現引するという方法もあります(いずれ現物で買う株を信用で買っておく)。
また、取引手数料を節約する裏技として「信用取引で株を購入して、すぐに現引する」という方法もあります(信用取引は現物取引よりも手数料が安いため(現引は無料)。しかし、信用取引には日割りで金利がかかるので、信用と現物のどちらで買うのがお得か?手数料を比較してから取引しましょう)。

「現渡」とは、保有している株式(同銘柄・同株数)を差し入れて決済することです(品渡しともいいます)。

売建の場合、(売建値×建株数)から諸経費を差引いた現金を受けとることで現渡できます(新規売建時の委託手数料のみ現渡時に徴収されます)。




「信用買い」の場合は「反対売買による返済」か「現引による決済」のどちらかで返済する。
「信用売り」の場合は「反対売買による返済」か「現渡による決済」のどちらかで返済する。

まとめ
- 信用取引の返済方法には「差金決済(反対売買)」と「現金または株式を証券会社と直接受払いする実物決済(現引・現渡)」の2つの方法がある(通常、反対売買による返済がおこなわれる)
- 差金決済は、現物の受け渡しをおこなわずに、反対売買による「売り」と「買い」の差額の授受によって返済する方法
- 反対売買は「買ったら→売る(転売)」または「売ったら→買い戻す」ということ
- 実物決済は、(買建の場合)買建した株式を現物で引き取る「現引」、(売建の場合)建株と同種同量の株式を証券会社に渡す「現渡」という方法
- 現引は、株式を売却せず、自分の手元にある現金で株式を引きとること(品受けともいう)
- 現渡は、保有している株式(同銘柄・同株数)を差し入れて決済すること(品渡しともいう)
- 「信用買い」の場合は「反対売買による返済」か「現引による決済」のどちらかで返済する
- 「信用売り」の場合は「反対売買による返済」か「現渡による決済」のどちらかで返済する

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