お世話になります。はいさび です。
信用取引は多くの投資家に利用されているとのこと。
そのため、信用取引の知識は、信用取引を実際におこなわない現物取引派の方にもとても有効ですよね?
今回は、信用取引の売買タイミングをつかむポイントである「信用残高」について学びます。
①信用残高は、信用取引でおこなわれた信用買いと信用売り(空売り)の残高の合計のこと(買い残・売り残)
②信用残高は将来的に反対売買される可能性が高い
③信用倍率は取引所が週1回公表する(制度信用取引と一般信用取引の合計)、貸借倍率は証券金融会社(日証金)が毎営業日公表する(制度信用取引のみが対象)
④通常、信用倍率や貸借倍率は1倍より大きくなる
信用残高とは?
信用取引は、証券会社に担保(現金や株式)を預け、証券会社からお金を借りて株を買ったり、株を借りてその株を売ったりする取引です。





…それを見るものが「信用残高(しんようざんだか)」です
売り需要と買い需要がどういった状態なのか?を予測することで売買のタイミングを探る目安になります。
信用残高とは?
「信用残高」とは、信用取引でおこなわれた信用買いと信用売り(空売り)の残高の合計のことです(信用取引残高の略で、信用残ともいいます)。
信用残高(買い残、売り残)は、証券会社の信用取引画面やJPX(日本取引所グループ)のホームページなどで調べることができます。


信用買い残、信用売り残とは?

「信用買い残」は、信用買いしたものがまだ返済(決済)されずに残っている状態のもの。
「信用売り残(空売り残)」は、信用売り(空売り)したものがまだ返済(決済)されずに残っている状態のもの。
信用取引はほとんどの場合、反対売買(「買っている人は→売る」または「売っている人は→買い戻す」)によって返済(決済)されるため、信用残高は将来的に反対売買される可能性が高いものといえます。

信用買いは、“まだ株価が上がる”と思っている人がするため、その期待が大きいほど「買い残」は増えます(買い残は(決済期日(6ヶ月)を迎えるまでの期間)将来の売り需要)。
逆に、信用売り(空売り)は、(下落相場において)“まだまだ株価が下がる”と思っている人、また、(株価が上昇している場合でも)“そろそろ下げるだろう”と思っている人がするため、その期待が大きいほど「売り残」は増えます(売り残は(決済期日(6ヶ月)を迎えるまでの期間)将来の買い需要)。

信用倍率、貸借倍率とは?

それには、「信用倍率」や「貸借倍率」を見ます。
それによって将来の株価の動きをある程度予想できるんですよ

「信用倍率」は、前週末時点で算出したもの(制度信用取引と一般信用取引の合計)。
(取引所が週1回、週末時点の残高を翌週の第2営業日の夕方(16時半ごろ)に公表します。信頼性がある指標です)。
「貸借倍率」は、毎営業日公表されているもの(制度信用取引のみ)。
(証券金融会社(日証金)が制度信用取引のみを対象として毎営業日公表します。信頼性には劣りますが、速報性があります)。
(信用取引は、(一般信用取引よりも)制度信用取引の方が一般的であり、ほとんどの投資家が短期で決済する傾向にあります。そのため、短期的な売買の判断をする場合、「貸借倍率」は速報性があるため参考になります)。

「信用倍率」=(前週末時点での)買い残÷(前週末時点での)売り残
「貸借倍率」=(毎営業日の)買い残÷(毎営業日の)売り残


逆に、信用売り(空売り)が多い場合、売り残が増えて1倍以下になるんです
「信用倍率」や「貸借倍率」の数字を見ることで、今後、株価が上がると思っている人と下がると思っている人のどちらが多いのかがわかります。
通常、「信用倍率」や「貸借倍率」は1倍より大きくなります(信用買い残の方が信用売り残よりも多い)。


なぜなら、1倍以下の(1倍に近い)銘柄の株価が上昇すると、売建している人は損失が拡大するのを避けるため一斉に買い戻し、さらに株価の上昇に弾みがつく「踏み上げ相場」になることがあるからです。


たとえば、売り残が増えない状態で、買い残が整理されたために倍率が低くなっただけということもあります



まとめ
- 信用残高は、信用取引でおこなわれた信用買いと信用売り(空売り)の残高の合計のこと(買い残と売り残がある)
- 信用買い残は、信用買いしたものがまだ返済(決済)されずに残っている状態のもの
- 信用売り残(空売り残高)は、信用売り(空売り)したものがまだ返済(決済)されずに残っている状態のもの
- 信用残高は将来的に反対売買される可能性が高い
- 信用倍率は、前週末時点で算出したもの(制度信用取引と一般信用取引の合計)で、取引所が週1回公表。信頼性がある。(前週末時点での)買い残÷売り残で算出。
- 貸借倍率は、証券金融会社(日証金)が制度信用取引のみを対象として毎営業日公表。信頼性には劣るが速報性がある。(毎営業日の)買い残÷売り残で算出。
- 通常、信用倍率や貸借倍率は1倍より大きくなる(信用買い残の方が信用売り残よりも多い状態)
- 倍率が1倍以下(または1倍に近い)場合は「好取り組み銘柄」といわれる(踏み上げ相場になる可能性がある)
- 倍率が2~5倍に高まってくると、相場が過熱しているとみなされ、株価下落が予想されやすくなる

信用残高はあくまでも目安ですが、要チェックですよ。
つぎの「株基礎㉟」では「信用取引のまとめと口座開設」について学びますよ^^
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