お世話になります。はいさび です。
株の信用取引をしているとよく出くわすのが「この銘柄は増し担保規制がかかっている」という言葉。
文字から察するに、担保が増すこと??
どういうときに増担保規制がおこなわれるのか?増担保規制が解除されるのはいつなのか?
…マシタンって、どういう仕組みになっているのでしょうか?
今回は、「増し担保(増担)」について学びます。
①増し担保(増担保規制)は、相場の過熱を抑えるためにおこなわれる信用取引の規制のひとつ(委託保証金が通常よりも多く必要となる)。
②日々公表銘柄の中から取引所が定めるガイドラインに抵触した銘柄が増担保規制の対象となる。
③一般的に、増担保規制に指定された銘柄は証拠金負担が大きくなることで新規の買いが入りにくくなるため、株価が下落することがよくある。
④増担保規制が解除された銘柄には新規の買いが増え、株価が上昇することがよくある。
増し担保とは?

ましたんぽって何だろう…?

株式の信用取引をおこなう場合には委託保証金(担保。通常30%)が必要ですが、この委託保証金が通常よりも多く必要となるのが「増担保規制」です。
増担保規制では、委託保証金の割合が50~70%に引き上げられたり、委託証拠金の中の現金の割合が20~40%必要などの取引条件が求められます(取引条件は銘柄によって異なります)。

新規で信用取引をするには、保証金率50%以上が必要であり、そのうち20%以上が現金でなければならないということです

より大きな資金が必要になるなんて…取引しにくくなるね。
どうして増担になるの?

主に信用取引による売買が活発化している銘柄は「日々公表銘柄(ひびこうひょうめいがら)」に指定され、過度な取引がおこなわれることを防ぐため、毎日、信用取引残高を公表しなければなりません。
その日々公表銘柄の中から、取引所が定めるガイドライン(残高基準、信用取引売買比率基準、売買回転率基準、特例基準のいずれか)に抵触した銘柄が増担保規制の対象となります。
(増担保規制はJPX日本取引所グループが決定しますが、証券会社が独自におこなう場合もあります)。
なお、くわしいガイドライン・増担保規制になった銘柄については、JPX日本取引所グループのHP「信用取引に関する規制等」のページで確認することができます。


一般的に、増担保規制に指定された銘柄は、証拠金負担が大きくなることで新規の買いが入りにくくなります(そのため、株価が下落することがよくあります)。

一方で、株価が適正だと判断される銘柄の場合、株価に大きな変動がないこともあります。
必ずしも「増担保規制=株価下落」とはいいきれませんが、値動きには注意しましょうね!
また、増担保規制がかかっても(空売りの買い戻しや投機的な動きで)株価の上昇がつづく場合もありますが、あるとき突然反落する可能性が高いので注意しましょう。

増担保規制がかかったら、ずっと規制されたままなの?

取引の過熱が落ち着いて、一定の条件を連続して満たした場合には解除され、再び通常の条件で信用取引ができるようになります
取引所が定めるガイドライン(残高基準、株価基準、特例基準の3つ)をクリアした場合、増担保規制は解除されます。
くわしいガイドライン・増担保規制解除になった銘柄については、JPX日本取引所グループのHP「信用取引に関する規制等」のページで確認することができます。
増担保規制が解除された銘柄には新規の買いが増え、株価が上昇することがよくあります(しかし、株価が上昇するのは安定して人気の高い銘柄や業績などに問題がない銘柄の場合がほとんどです)。
また、とくに値動きが大きい新興市場の銘柄の中には、規制と解除をくり返す銘柄もあります。


まとめ
- 増し担保(増担保規制)は、相場の過熱を抑えるためにおこなわれる信用取引の規制のひとつ(委託保証金が通常よりも多く必要となる)。
- 日々公表銘柄の中から取引所が定めるガイドラインに抵触した銘柄が増担保規制の対象となる。
- 一般的に、増担保規制に指定された銘柄は証拠金負担が大きくなることで新規の買いが入りにくくなるため、株価が下落することがよくある。
- 取引所が定めるガイドラインをクリアした場合、増担保規制は解除される。
- 増担保規制が解除された銘柄には新規の買いが増え、株価が上昇することがよくある(株価が上昇するのは安定して人気の高い銘柄や業績などに問題がない銘柄の場合)。
- 現物取引している投資家にとってはとくに制限があるわけではないが、株価が動く要因となるので要確認。

ここまでお疲れさまでした♪