お世話になります。はいさび です。
「為替」は日々の暮らしの中でとても身近なものであり、株式投資をするうえでも大事なポイントのひとつです。
…とはいっても、具体的に「為替」って何なのでしょうか?
円高や円安になるとどのような影響があるのでしょうか?
いまいちよくわからないなぁ…という方もいらっしゃるかもしれませんよね^^
今回は、為替(円高・円安)について学びます。
①為替とは、現金の代わりに、手形・小切手・証書などで決済をすませる方法のこと(異国間で為替がおこなわれる場合は、通貨の交換を伴うため「外国為替」といわれる)
②通貨を交換するための市場を「外国為替市場(為替市場)」、外貨と円を交換するときの基準(通貨の交換比率)のことを「為替レート(外国為替相場)」という
③為替取引は世界各国のあらゆる場所で24時間おこなわれている((日本時間の)月曜日の朝から土曜日の朝まで)
④「円高」とは、他の通貨より円の価値が上がる(=外貨の価値が下がる)こと。「円安」とは、円の価値が下がる(=外貨の価値が上がる)こと
為替とは?

いまいち意味がわからないんだけど…?

為替レートについて学ぶ前に、まずは「為替」とは何か?について見ていきましょう!
為替とは?
為替とは、現金の代わりに、手形・小切手・証書などで決済をすませる方法です。また、異国間で為替がおこなわれる場合は、通貨の交換を伴うため「外国為替」といわれます。

江戸時代、大坂から江戸に商品を取り寄せるとき、その代金を直接江戸に運ぶには盗賊に遭うなどの危険が伴ったため「為替」という仕組みが考えられました。
現金を江戸に直接持ち運ばず、両替商に代金を渡して為替手形(支払いを約束した証書)を発行してもらい、その手形を受取った大坂の商人が指定された両替商に持って行くことで代金を受取ることができるようにしたのです。


クレジットカードを使った支払い、銀行振込や口座振替も為替の一種なんですよ
国内でおこなわれる為替取引を「内国為替」、外国(異なる通貨間)との為替取引を「外国為替」といいます。

外国為替の特徴は、通貨の交換を伴うということ。
「為替」という言葉は、“米ドルと円”のように“異なる2国間の通貨”を交換するという意味で使われるようになりました。


そして、相手側の通貨で取引すると決まった場合は、通貨を交換しなければなりません

為替レート(為替相場)とは?
為替レート(為替相場)とは、外国為替市場(為替市場)において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率のことです。
日本でもっとも頻繁に取引されるのは円・ドル相場です(ほかにも様々な通貨の組み合わせがあります)。
為替レートは、市場における需要と供給のバランスによって決まります。


海外旅行に行くとき、銀行や空港の両替所に「1米ドル=100円」とか表示されているよね
異なる通貨の交換が必要となるのは、海外旅行に行く際に円を外貨に両替する場合、輸入をおこなう会社が海外との代金決済のために円を対価に外貨を調達する場合、国内の投資家が外貨建て金融資産を売買する際に円と外貨を交換する場合…などがあります。

米ドルを日本円で購入したい場合、為替レートが「1ドル=100円」であれば、「100円で1米ドルを購入できる」ことを示しています(手数料等は考慮していません)。

「円高」とは、他の通貨より円の価値が上がる(=外貨の価値が下がる)こと(日本円を持つ方がよいと判断する人が多ければ「円」を買う人が増え、世の中に出回っている「円」が少なくなるので、他の通貨より「円」の価値が上がります)。
逆に、「円安」とは、他の通貨より円の価値が下がる(=外貨の価値が上がる)こと(日本円よりも他の通貨を持つ方がよいと判断する人が多ければ「円」を手放す人が増え、「円」の価値が下がります)。


たとえば、以前に「1米ドル=120円」だったものが、今日は「1米ドル=100円」になった場合…

逆に、以前は「1米ドル=100円」だったものが、今日は「1米ドル=120円」になった場合…

…「円高」のときに日本から海外旅行に出かけるとお得です。
また、「円安」になると日本を訪れる外国人観光客が増加する傾向にあります。
円高・円安の株価への影響は?

「円高」のときは…
円の価値が上がることにより外国のモノが安く買えるようになるため、「円高」は輸入関連企業に有利になります。
逆に、海外では日本のモノを高く買わなければならなくなり、モノが売れなくなります。そのため、「円高」は輸出関連企業に不利になります。

「円安」のときは…
海外にモノを売りやすくなり、海外では日本製品を安く購入できるようになるため、「円安」は輸出関連企業に有利になります。
逆に、海外のモノを高く買わなければならなくなり、仕入れ価格を押し上げてしまうため、「円安」は輸入関連企業に不利になります。

日本はエネルギー資源の9割以上、食料品の約6割を輸入に頼っているため、「円安」になるとガソリンや小麦などの食料品価格が上昇するんです

株価との関係を見てみると…
「円安」のときに日本からの輸出が増えれば、日本の輸出関連企業は業績が上昇します(株価の上昇につながる可能性があります)。
しかし、輸入関連企業にとって「円安」は仕入価格を押し上げるため、業績の悪化が予想されます(株価の下落につながる可能性があります)。


外国為替市場とは?


「外国為替市場(為替市場)」という場所は存在しません。
なぜなら、為替取引は取引所で集中的に売買がおこなわれる“取引所取引”とは異なり、売り手と買い手が1対1でインターネットなどを通じて価格や数量などの取引条件を決定し、決済(精算)までをおこなう“相対取引(店頭取引)”だからです。
とくに取引が集中する都市の名前を取って、“ニューヨーク外国為替市場”、“ロンドン外国為替市場”、“東京外国為替市場”などと呼ばれているだけで、為替取引は世界各国のあらゆる場所でおこなわれています。
外国為替市場は大きく2つに分けられます。
「インターバンク市場」…金融機関同士が直接(または外為ブローカーを通じて)通貨を売買している市場
「対顧客市場」…金融機関と個人や一般企業などが(金融機関が売買を仲介して)通貨を売買する市場
(ニュースなどで「今日の外国為替市場は…」という場合、銀行間の為替取引を指すことが一般的です)。

また、対顧客市場には、機関投資家・商社・輸出入業者・個人などが参加しています

為替取引は(日本時間の)月曜日の朝から土曜日の朝までおこなわれています(銀行が閉まっている土日は取引はおこなわれていませんが、為替はわずかに動いています(中東のバーレーン市場が取引できるため))。

主な市場の取引時間を見てみると…
1日のうちでもっとも早く動き出すのは、ニュージーランドのウェリントン市場です(日本時間の朝5時~13時)。次に、シドニー(朝7時~15時)→東京(朝9時~17時)→香港・シンガポール(朝10時~18時)→ドバイ(15時~23時)→ロンドン(18時~翌朝2時)→ニューヨーク(21時~翌朝6時)の順に取引の中心が移っていきます。
これは、標準時間(冬時間)の場合です。
米国と欧州には夏時間(サマータイム)があります(夏時間の期間は時計の針を1時間早めるという習慣。国によって導入期間が異なります)。


…ところで、為替レートが動く要因としてはどういったことが考えられるの?
なぜ、円高・円安になるのか?
為替相場は、需要と供給のバランスで決まります。

そのひとつが「輸出と輸入」のバランスです
たとえば、日本からアメリカへ輸出する場合…
日本の企業はモノを売ったお金を米ドルで受けとることになります。
しかし、その米ドルは円に替えなければならないため、日本の企業は「米ドルを売って円を買う」という取引をおこないます。

逆に、アメリカから日本へ輸入する場合…
モノを購入する代金を米ドルで支払うには、手持ちの円を米ドルに替えなければならないため、日本の企業は「円を売って米ドルを買う」という取引をおこないます。


物価(モノの値段)が上がっていく「インフレーション(インフレ)」のときは、お金の価値が下がっているといえます。
逆に、物価が下がっていく「デフレーション(デフレ)」のときは、お金の価値が上がっているといえます。
もし、アメリカがインフレのときに日本がデフレであれば、米ドルの価値は下がり、一方で円の価値は上がります。つまり、為替レートは円高・米ドル安に向かう可能性があります。
逆に、アメリカがデフレのときに日本がインフレであれば、円安・米ドル高に向かう可能性があります。

たとえば、日本の投資家がアメリカの株式や米ドルで発行された債券に投資する場合、「円を売って米ドルを買う」必要がありますよね?

逆に、アメリカの投資家が日本の株式や債券に投資する場合は円高・米ドル安になることがあるんだね
また、(銀行預金や債券投資では金利が高い方がより多くの収益を得ることができるので)アメリカの金利が日本よりも高くなれば、円を米ドルに替えて米国債を購入する投資家が増え、円安・米ドル高になる可能性があります(逆の状況の場合は、逆の方向(円高・米ドル安)に動く可能性があります)。

「経済指標」とは、各国政府や中央銀行などが定期的に公表している経済に関する統計のことで、とくにアメリカの経済指標は世界経済に与える影響が大きく、注目されています。




「市場介入」とは、中央銀行や各国政府が、為替相場を安定させることを目的に外国為替市場で自国の通貨を売買することです。


また、政変や戦争や天災などのリスク回避のために関連する国の通貨が売られたり、各国の長期国債の格付の状況、政権交代があったとき、世界経済に対する影響力が大きい人物(アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)議長など)の発言などによっても為替相場は大きく動くことがあります。

株価にも影響する…っていう意味がわかったよ
まとめ
- 為替とは、現金の代わりに、手形・小切手・証書などで決済をすませる方法のこと(異国間で為替がおこなわれる場合は、通貨の交換を伴うため「外国為替」といわれる)
- 国内でおこなわれる為替取引を「内国為替」、外国(異なる通貨間)との為替取引を「外国為替」という(一般的に「為替」というと「外国為替」のことを指す)
- 通貨を交換するための市場を「外国為替市場(為替市場)」、外貨と円を交換するときの基準(通貨の交換比率)のことを「為替レート(外国為替相場)」という
- 米ドルを日本円で購入したい場合、為替レートが「1ドル=100円」であれば、「100円で1米ドルを購入できる」ことを示している(手数料等別)
- 為替レートは、世界の経済状況や需要と供給のバランスなどによってつねに変動している
- 「円高」とは、他の通貨より円の価値が上がる(=外貨の価値が下がる)こと
- 「円安」とは、他の通貨より円の価値が下がる(=外貨の価値が上がる)こと
- 「円高」は輸入関連企業に有利(円の価値が上がることにより外国のモノが安く買えるようになるため)。逆に、輸出関連企業に不利(海外では日本のモノを高く買わなければならなくなりモノが売れなくなるため)
- 「円安」は輸出関連企業に有利(海外にモノを売りやすくなり、海外では日本製品を安く購入できるようになるため)。逆に、輸入関連企業に不利(海外のモノを高く買わなければならなくなり、仕入れ価格を押し上げてしまうため)
- 外国為替市場にはインターバンク市場と対顧客市場がある
- 外国為替市場という場所は存在せず、為替取引は世界各国のあらゆる場所で24時間おこなわれている((日本時間の)月曜日の朝から土曜日の朝まで)
- 為替レートが変動する(円高・円安になる)要因には、輸出と輸入のバランス、景気(物価の変動)、投資家の動き、金利、また、経済指標(とくにアメリカの雇用統計)や政府の市場介入などがある

株式投資をする際も為替の動きを見るのは大事ですね。
長丁場がんばりました^^ここまでお疲れさまでした!



