【株基礎(55)】iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金)とは?

株☆基礎

お世話になります。はいさび です。

「 “iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金 )” って、銀行や証券会社などで取り扱っているみたいだけど、一体どんなものなんだろう?」

これは、わたしの中で、“聞いたことはあるけれど知識があいまいなこと”…のひとつでした(>_<)

ひとことでいうと、 iDeCoとは、掛金を自分自身で運用しながら積み立て、原則60歳以降に(公的年金にプラスして)受け取ることができる年金制度のこと。

…直接、株の勉強とはつながらないかもしれませんが、株式投資もiDeCoも資産運用のひとつですし、仕組みを知っておくといいのではないかと思います。

今回は、『iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金 ) 』について学びます。

iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金 )とは?

株お
株お

最近よく聞くんだけど…“イデコ”って何なの!?
言葉がむずかしくてよくわからないよ~

株子センセイ
株子センセイ

 iDeCo(イデコ)”とは、“ 個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん)”のことですよ。

“個人型”は個人の、そして、“確定拠出年金”は自分で育てる年金づくりの制度(日本の年金制度の一種)…という意味なんです

“拠出(きょしゅつ)”とは、特定の目的に用いるため金銭を出し合うこと…という意味です。
iDeCoの場合、“自分で設定した掛金額(毎月一定の金額)を積み立てること”を“掛金を拠出する”…といいます。

株お
株お

iDeCoって年金なんだね!
日本の場合、原則20歳以上の国民は公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金のいずれか)に加入が義務づけられているよね?

株子センセイ
株子センセイ

 iDeCo(個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意
基本的に20歳以上60歳未満のすべての国民が加入できます
これによって将来(60歳以降)の年金受給額を増やすことができるんですよ

ただし、企業型確定拠出年金に加入している人は、企業型年金規約でiDeCoに同時加入できる旨を定めている場合にのみiDeCoに加入できます。

株子センセイ
株子センセイ

ちなみに…“私的年金”とは公的年金の上乗せの給付を保障する制度のことです。iDeCoの他にも国民年金基金や厚生年金基金、保険会社による個人年金などがあります。
私的年金には確定給付型(加入した期間などに基づいてあらかじめ給付額が定められている年金)と確定拠出型(拠出した掛金額とその運用収益との合計額をもとに給付額を決定する年金)の2種類があります

株お
株お

公的年金だけじゃ将来がちょっと不安だな…って思っていたけれど、iDeCoで受け取る年金額が増えたら安心だよね!
ところで、iDeCoはどこで加入できるの?

株子センセイ
株子センセイ

iDeCoをはじめるのなら、金融機関でiDeCo専用の口座を開設する必要があるんですよ

銀行や証券会社、生命保険会社といった金融機関でiDeCo専用の口座を開設しなければなりません。

口座の開設・維持には手数料がかかります。口座開設手数料はどこも2,829円ですが、維持手数料は月々171円~629円など金融機関によって異なります。

株子センセイ
株子センセイ

運用商品や手数料、サポート体制などは金融機関によってさまざまなので比較検討してみてくださいね

iDeCoでは、資産運用の対象となる金融商品として、いくつかのタイプの商品があります(定期預金、投資信託、信託商品、保険商品など。金融機関によって提供される商品は異なります)。

その中から、加入者自身が選んだ商品で運用が行われます(加入後、はじめに掛金の配分割合を指定します)。

配分割合は1%単位で指定でき、指定した配分割合にしたがって運用商品が購入される仕組みになります(合計が100%になるように指定します)。

株お
株お

うん、いろいろ調べて自分に合った金融機関を探してみるよ!
iDeCoの仕組みについてもっとくわしく教えて!

株子センセイ
株子センセイ

OK!まず、iDeCoについてザックリまとめると…

 iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金)は、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する自分でつくる年金制度です(月々5,000円~はじめることができます)

自分で設定した掛金額を60歳になるまで積み立て、その掛金を運用し(定期預金や投資信託や保険などの運用商品を自分で選んで運用)60歳以降に老齢給付金として年金または一時金として受け受け取ります

納付方法は、本人の口座からの引落し、または給与天引きが選べます(口座引落し日に残高不足の場合、その月は未納となります(追納はできません))。

また、毎月定額拠出だけでなく、月ごとに金額を指定したり、年単位で掛金を支払うこともできます(事前に申し込まれる金融機関で確認してくださいね)。

株子センセイ
株子センセイ

“老齢給付金”とは、確定拠出年金の場合、老齢を要件として60

歳から支給される年金または一時金のこと。
確定拠出年金の加入者は60歳になったとき、通算加入者期間等
が10年以上であれば、給付金を請求できます

60歳から年金資産を受け取るには、個人型確定拠出年金に加入していた期間等(通産加入者期間)が10年以上必要です(加入者等期間が10年に満たない場合は、受給開始年齢が繰り下げられます)。

確定拠出年金は、原則60歳まで資産を引き出すことができませんが、一定の要件を満たす場合、脱退一時金として60歳未満で年金資産を受け取ることができます。

また、受け取りの手続きは、60歳~70歳の間に行わなくてはなりません。

株お
株お

10年以上、毎月積み立てていく…っていうと大変そうだけど、月々5,000円~なら始めやすいね!

株子センセイ
株子センセイ

5,000円以上積み立てたい場合は、1,000円単位で上乗せできるんですよ!
ただし、国民年金の被保険者種別や他の企業年金の加入状況などによって上限金額が定められているので、iDeCoの口座を開設する前に確認しておきましょうね

たとえば…
公務員や会社員(企業年金あり)は月々12,000円まで(企業年金の種類によっては20,000円まで)、会社員(企業年金なし)や専業主婦(主夫)は月々23,000円まで、自営業は月々68,000円まで…と定められています。

株お
株お

…もしも途中で掛金の額を増やしたり減らしたりしたくなったら変更できるのかなぁ?

株子センセイ
株子センセイ

掛金の変更は、毎年1月~12月(引落しベース)までの間に1回だけ可能なんですよ。
また、掛金拠出の休止・再開はいつでも可能です

株お
株お

それから、受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したとき、老齢給付金はどうやって受け取るの?

受取方法は、
一時金として一括で受け取る方法(原則60歳に到達したら、70歳に到達するまでの間に一時金として一括で受け取る)
年金として受け取る方法(原則60歳に到達したら、5年以上20年以下の期間で、運営管理機関が定める方法で受け取る)
一時金と年金の組み合わせで受け取る方法(原則60歳に到達した時点で一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金で受け取る)
…といった方法があります。

株お
株お

受け取るには10年以上の加入期間が必要…ってことは、40代からでも遅くないね!
それから、iDeCoは人によって拠出した掛金の額や運用の成績が異なるから、将来受けとる額は個人個人で異なるんだね。
運用商品選びはしっかりしないと!

株子センセイ
株子センセイ

そうですね!
それから、将来受けとる年金が増えるだけでなく、他にもiDeCoを活用するメリットがあるんですよ

株お
株お

えぇ~!?どんなこと?

株子センセイ
株子センセイ

iDeCoは、掛金・運用益・給付を受け取るときに、税制上の優遇措置が講じられているんです

積み立てた金額すべてが“所得控除”の対象となり、所得税・住民税が節税できる
運用で得た定期預金利息や投資信託運用益などが“非課税”になる
受け取るときは、“公的年金等控除”や“退職所得控除”の対象になる

株子センセイ
株子センセイ

所得税・住民税は、年収から各種控除額を引いた“課税所得”によって決まりますよね。ですから、各種控除額が多いほど課税所得が低くなり、所得税・住民税が安くすみます。
たとえば、iDeCoで毎月1万円を積み立てると、年間で12万円が所得控除されることになります

株お
株お

iDeCoは、積み立てで老後の資金は貯まるし、税金が安くなるなんてお得だね!これで運用がうまくいったらさらに上乗せになるんだね

株子センセイ
株子センセイ

そう。運用期間中に、定期預金に利息がついたり、投資信託が値上がりしたりして利益が出たりすることがあります。
通常は利益の約20%を税金(所得税15%+住民税5%)として払う必要がありますが、iDeCoの場合は税金が一切かからないんですよ

株お
株お

とくに投資信託の利益は大きくなる可能性があるから、非課税なのはうれしいね!

株子センセイ
株子センセイ

…それから、ひとつ注意点として覚えておきたいのが、iDeCoは積み立てたときに所得控除となった分、60歳以降に受け取るタイミングで課税される仕組みになっている…ということ。
つまり、受け取り額に応じた所得税・住民税を支払わなければならないんです。
でも、分割で受け取る場合は“公的年金等控除“、一括で受け取る場合は“退職所得控除”の対象となり、税金の負担が軽くなるようになっているんですよ

株お
株お

受け取り時に課税されるのはちょっとデメリットな感じもするけれど、積み立て時や運用益の税負担が軽くなることを考えると、やっぱりお得なんだね

株子センセイ
株子センセイ

では、iDeCoのデメリットについても確認しておきましょうね

原則60歳以降になるまでは引き出せない(通算加入者期間等が10年に満たない場合は受け取れる年齢が繰り下がる)
口座の開設・維持に手数料がかかる
運用の結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがある
…といったことがあります。

株お
株お

なるほど。iDeCoについてよくわかったよ。
老後のお金は自分で運用してつくって、ゆとりある老後をたのしく過ごしたいな!
まずは、iDeCo専用口座の開設から、だね!

まとめ

・ iDeCo(イデコ 個人型確定拠出年金)とは、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度(月々5,000円~はじめることができる)
・掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金として受け取ることができる(受け取る際は、一時金として一括で受け取る方法、年金として受け取る方法、一時金と年金の組み合わせで受け取る方法がある)
・60歳から年金資産を受け取るには、通産加入者等期間が10年以上必要(10年に満たない場合は、受給開始年齢が繰り下げられる)
・iDeCoの加入は任意であり、20~60歳未満のすべての国民が加入できる(企業型確定拠出年金に加入している人は、企業型年金規約でiDeCoに同時加入できる旨を定めている場合にのみ加入できる)
・銀行や証券会社、生命保険会社といった金融機関でiDeCo専用の口座を開設しなければならない(口座の開設・維持には手数料がかかる。また、運用商品や手数料、サポート体制などは金融機関によって異なる)
・国民年金の被保険者種別や他の企業年金の加入状況などによって月々の積み立て上限金額が定められている
・掛金の変更は、毎年1月~12月(引落しベース)までの間に1回だけ可能。また、掛金拠出の休止・再開はいつでも可能
・iDeCoのメリットとして、積み立てた金額すべてが“所得控除”の対象となり、所得税・住民税が節税できること、運用で得た定期預金利息や投資信託運用益などが“非課税”になること、受け取るときは、“公的年金等控除”や“退職所得控除”の対象になること…といったことがある
・iDeCoのデメリットとしては、原則60歳以降になるまでは引き出せないこと(通算加入者等期間が10年に満たない場合は受け取れる年齢が繰り下がる)、口座の開設・維持に手数料がかかること、運用の結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあること…といったことがある

株子センセイ
株子センセイ

iDeCoは節税メリットを受けながら、将来の資金づくりができるお得な制度ですよね。
銀行や証券会社など口座開設をする金融機関によって運用商品や手数料、サポート体制はさまざまですので、ぜひご自身に合ったものを探してみてくださいね!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
お疲れさまでした^^