お世話になります。はいさび です。
証券口座を開設して入金したら、いよいよ株取引をはじめられますね。
ついに投資家デビュー！…といっても、そもそも「株」って何だろう…(._.)？
今回は、「株」「株主」「証券取引所」とは何なのか？について学びます。
★今回のポイント★
①株とは、株主から集めた資金に対して企業が発行する証書（株券）のこと（電子化されている）
②株主の持つ主な権利として、配当金、議決権、株主優待がある
③株の売買をおこなう場所を証券取引所といい、日本でいちばん大きいのが東京証券取引所（東証。取引時間は前場9:00～11:30 まで、後場12:30～15:00 まで）
株とは？
株式投資したいけど…そもそも「株」ってなんだろう？
「株」とは、株主から集めた資金に対して企業が発行する証書（「株券（かぶけん）」）のこと。
「株券」とは、株主としての地位や権利をあらわす有価証券（ゆうかしょうけん。財産権をあらわすもの）です。
「株券」といっても紙ではなく、現在は電子化されているんですよ（「株」は正式には「株式」といいます）。
会社をはじめたり、新しい事業を興そうとするときには大量の資金が必要になりますが、銀行からの融資ではまかないきれないこともあるので、企業は投資家からお金を集めようとします（＝資金調達（しきんちょうたつ）といいます）。
その資金調達の手段として、会社のオーナーになる権利である証書を発行しており、それを「株」といいます。
企業は、投資家から集めた資金（投資家が株を購入してくれたことで得た資金）をもとに事業をはじめたり、事業を拡大させたりすることができます。
投資家とは？
「投資家（とうしか）」とは、利益を得る目的で証券や事業などに資金を投入する人のことで、わたしたちのような個人投資家（こじんとうしか）と法人である機関投資家（きかんとうしか）に分けられるんです。
機関投資家ってどんな人たちなの？
機関投資家とは、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関など、大量の資金をつかって株式や債券で運用をおこなう大口投資家（おおぐちとうしか）のことです。
資金力の大きさから「クジラ」と呼ばれているんですよ。
とくに膨大な資金力を持ち、市場を動かす力があるのが「５頭のクジラ」（日本銀行、GPIF（じーぴーあいえふ。年金積立金管理運用独立行政法人）、共済年金（NTT、JR、JTの3社）、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険）です。
株主とは？
企業に出資（しゅっし。お金を出すこと）して、株式（会社のオーナーのひとりになる権利）を受けとった投資家を「株主（かぶぬし）」といいます。
株主になるってどういうこと？
すべての企業がおこなっているわけではありませんが、株主の持つ主な権利として「配当金（はいとうきん）」、「議決権（ぎけつけん）」、「株主優待（かぶぬしゆうたい）」というものがあります。
「配当金」（配当ともいいます）とは、企業が株主に会社の利益の一部を分配することです。
株主が保有する株数に比例して分配されます（日本の平均的な配当は年２％前後で、年に１回か２回分配されます）。
「議決権」とは、株主総会で経営方針について意見を出したり、決議に参加して票を入れることができる権利のことです（1単元株に対し1つの議決権があります）。
「株主優待」とは、配当とは別に、自社製品や自社サービス、品物などを提供する制度のことです（保有する株数や保有期間によって優待内容は変わります（優待を実施している上場企業は約1,500社ほどです（2021年4月現在））。
株主になるといろいろな権利が得られるんだね。
ところで、さっき出てきた単元株って？
「単元株（たんげんかぶ）」とは、株を売買するのに必要な最低株数（売買単位）のことです。
上場するすべての株式の売買単位は100株単位（1単元＝100株）なんですよ。
証券取引所とは？
企業は投資家から資金を集めるために自社の株を発行して、その株を売り出す。
投資家は企業に出資して（株を買い）株主となり、いろいろな権利を得る。
なるほどね。企業と投資家の関係性がわかってきたよ。
…あれっ！？でも、株ってどこでどうやって買ったり売ったりするんだろう？
投資家や証券会社が株の売買をおこなう場所を「証券取引所（しょうけんとりひきじょ）」といいます。
株式を売買したい人は、証券会社を通じて証券取引所に注文を出し、ルールにもとづいて売買が成立するんですよ（株取引をはじめるためには、証券会社に口座を開設しておく必要があります）。
証券取引所には“株を買いたい人”と“株を売りたい人”が世界中から集まり、株式市場（マーケットともいいます）を形成しています。
一般の投資家が株を購入し、株主になれるのは上場企業（じょうじょうきぎょう）だけです（上場していない企業（未上場企業）の株を買うことはできません）。
上場？？
各証券取引所の審査基準を満たし、株式市場に上がって、証券取引所で株式の売買ができるようになった企業のことを「上場企業」といいます。
国内の証券取引所は4ヵ所あり、日本でいちばん大きい「東京証券取引所（東証（とうしょう））」のほかにも、福岡（福証（ふくしょう））、名古屋（名証（なしょう））、札幌（札証（さっしょう））があります。
（大阪（大証（だいしょう））はデリバティブ（金融派生商品）特化型の取引所です）。
ここでは代表的な東証についてみていきますね。
株式市場は審査基準（株主数、流通株式、上場時価総額、事業継続年数など）によっていくつかに分かれているんです。
審査が厳しいものから順に…
- 東証第1部（東証1部（とうしょういちぶ）。大型企業（日本を代表する企業が集まっている））
- 東証第2部（東証2部（とうしょうにぶ）。中堅企業）
- ジャスダック スタンダード（JSDAQ(略称JQ)スタンダード。一定の事業実績があり、ある程度会社が安定している成長企業向けの市場）
- マザーズ（東証第1部へ上がる成長性が期待される企業向けの市場）
- ジャスダック グロース（JSDAQ(略称JQ)グロース。発展途上だが将来性、成長性が見込める企業向けの市場）
へぇぇ～、市場ってこんなにあるんだね！
東証1部、2部って聞いたことがあるけれど、マザーズやジャスダックって何だろう？
東証の「マザーズ」や「ジャスダック（JASDAQ）」は新興企業（ベンチャー企業）が多く上場しているため「新興市場（しんこうしじょう）」といわれています。
新興市場は、1部や2部（主に会社の継続性・収益性について厳しく審査される）よりも上場基準がゆるく、株主数や時価総額(上場時見込み)など一定の要件を満たしていれば、できて間もない企業や赤字の企業でも上場できる場合があります。
マザーズは、高成長新興株式市場。
「Mothers」Market Of The High-growth and EmeRging Stocksの頭文字。
ジャスダックは、株式会社ジャスダック証券取引所が開設する取引所市場。
日本最大のベンチャー市場で、もともとは「株式店頭市場機械化システム」＝「JASDAQ」Japan Association of Securities Dealers Automated Quotationsの頭文字。
また、「新興市場」は東証のほかにも、名古屋証券取引所（名証）の「セントレックス」、札幌証券取引所（札証）の「アンビシャス」、福岡証券取引所（福証）の「Q－ボード」があります。
ところで、証券取引所ではいつでも株の取引ができるの？
証券取引所によって株の売買ができる取引時間が異なりますが、
東証の場合…
前場（ぜんば）午前中の取引 9:00～ 11:30 まで
後場（ごば） 午後の取引 12:30 ～15:00 まで です。
前場の始まり（その日一日の取引の始まり）9:00 を「寄り付き（よりつき）」、 前場が終わる11:30 を「前引け（ぜんびけ）」といいます。
後場の始まり 12:30 を「後場寄り（ごばより）」、（その日一日の取引の終わり）後場が終わる 15:00を「大引け（おおびけ）」 といいます。
（名証の大引けは、東証よりも30分おそい15:30 です）
寄り付きから大引けまでの間の取引時間のことを「ザラ場」といいます（「いくらでもふつうに（ザラに）ある場」という意味）。
まとめ
- 株とは、株主から集めた資金に対して企業が発行する証書（株券）のこと（電子化されている）
- 投資家とは、利益を得る目的で証券や事業などに資金を投入する人のことで、個人投資家と法人である機関投資家に分けられる
- 企業に出資して、株式（会社のオーナーのひとりになる権利）を受けとった投資家を株主という
- 株主の持つ主な権利として、配当金、議決権、株主優待がある（すべての企業がおこなっているわけではない）
- 投資家や証券会社が株の売買をおこなう場所を証券取引所といい、日本でいちばん大きいのが東京証券取引所（東証）
- 東証の取引時間は、前場9:00～11:30 まで、後場12:30～15:00 まで
今回は、「株」とは何なのか？についてザクッと学びました。お疲れさまでした！
次の「株基礎(2)」では「日経平均」や「TOPIX」などについて学びますよ^^
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