お世話になります。はいさび です。
株価チャートの下の方にある棒グラフは「出来高」といい、ある期間中に株が売買された取引量を示しています(今後の相場の動きを予測するのに役立つ重要な指標のひとつ)。

それとは別にチャートの端に(自動表示できる)横に伸びた棒グラフがありますが、これは一体何なのでしょうか!?
今回は、その「価格帯別出来高」について学びます。
★今回のポイント★ ①価格帯別出来高とは、過去に売買が成立した株数を価格帯ごとに集計したもの ②価格帯別出来高の棒グラフが横に長く伸びているほど、過去にその価格で売買した人が多かったことを示している ③価格帯別出来高は抵抗ラインになりやすいため、株価の上昇や下落がそこで止まることが多い ④出来高が多い価格帯を抜けたとき、どちらかの方向に動きはじめると急激に上昇または下落することがよくある
価格帯別出来高とは?

チャートの下には縦に伸びた「出来高」の棒グラフがあるけど、チャートの端に横に伸びた棒グラフがあるよね…これは何?

それは、「価格帯別出来高(かかくたいべつできだか)」というグラフですよ。
「価格帯別出来高」とは、過去に売買が成立した株数を価格帯ごとに集計したもの(今までに売買された結果のグラフ)です。
(価格帯別出来高は、設定すると自動表示させることができます)

「出来高」は期間中に成立した売買の数量(株数)を示しているけど、「価格帯別出来高」はどうやってみるの?

価格帯別出来高の棒グラフが横に長く伸びているほど、過去にその価格で売買した人が多かったことを示しています。

価格帯別出来高が多い=その価格で買ったり売ったりした人がたくさんいた(人気が高い価格帯)ってことだね!
でも、それは過去のことだよね…。これからの投資に役立つのかなぁ?

価格帯別出来高をみることで、株価がどのくらいまで上昇するのか、下落するのかをある程度予想することができるんですよ。
売買が多くおこなわれた価格帯(棒グラフが長いところの価格)は、多くの投資家に心理的な影響を与えます。

その価格帯は抵抗ライン(ていこうらいん:抵抗線(ていこうせん)ともいいます)になりやすいため、株価の上昇や下落がそこで(棒グラフが長い価格帯のところで)止まることがよくあるんです。

抵抗ラインってどういうこと?
たとえば…
長いあいだ株価が価格帯別出来高が多い価格の「下」で推移していた場合(多くの人が含み損の状態)、
株価が上昇してきて価格帯別出来高が多い株価に近づいてきたら、「やれやれ…やっとここまで戻ってきたよ。もうこの辺で売っておこう」と思う人が多くなり、たくさんの売りが出て、株価上昇の勢いが止まりやすいのです。

これが、上値抵抗ライン(うわねていこうらいん:上値抵抗線(うわねていこうせん)ともいいます)です。
逆に、株価が価格帯別出来高が多い価格の「上」で推移していた場合(多くの人が含み益の状態)、
株価が下落してきて価格帯別出来高が多い株価に近づいても、「まだ慌てて売らなくてもいいか…ここまで下がったらまた上がるかも。買ってみよう」と、それほど売られず、買いも入るため、穏やかに株価下落に歯止めがかかりやすいのです。

これが下値抵抗ライン(したねていこうらいん:下値抵抗線(したねていこうせん)ともいいます)です。

なるほど…。ところで、含み損や含み益って何?
実際に売買を確定するまでは損失も利益も確定されません。
今の株価が購入時の株価を下回っており、(まだ売買を確定させてはいないが)損が出ている状態のことを「含み損(ふくみぞん)」といいます。
逆に、今の株価が購入時の株価を上回っており、(まだ売買を確定させてはいないが)利益が出ている状態のことを「含み益(ふくみえき)」といいます。

また、価格帯別出来高が多い株価の近くでは、「もみ合い」といって、ここから上昇するか下降するか見当がつかず、値動きがいったん足踏みすることがよくあるんですよ。
もみ合い現象がしばらく続いたあとは、どちらかの方向に動きはじめると急激に上昇または下落することがよくあります。
なぜかというと、価格帯別出来高が多い価格帯を抜けたときには大きな抵抗が起こらないからです。

ということは、その価格帯を抜けたら「株価が大きく動くかも」と予想することができるんだね!

そう。壁となる株価はどのあたりなのか…という“株価の節目”を予想できるので、売買のタイミングの参考になるんですよ。
一般的に、出来高が多い価格帯は、反対売買が多く出るため値動きが重くなります(上値に売りが多くて、なかなか上にいけない)。
逆に、出来高が少ない価格帯は、反対売買が少ないため値動きが軽くなります(売りが少なく、わずかな買いでもどんどん上にいく)。

そうか!出来高は、買った株数と売った株数が同じ数になるんだから、買われた株数が多い分、売られる株数も多く存在するってことだね。

価格帯別出来高のこういった傾向を利用して、売買のタイミングを考える際に目安にできるんですよ。
上昇相場の場合…
株価が上値抵抗ラインを上に抜けたら上昇する可能性があります。
また、株価が上値抵抗ラインまで上がってきたのに、そこで押し戻されたら下落する可能性があります。
逆に、下落相場の場合…
株価が下値抵抗ラインを下に抜けたら下落する可能性があります。
また、株価が下値抵抗ラインまで下がったのに、そこで反発したら上昇する可能性があります。

ただし、価格帯別出来高は“過去のデータ”(今までに売買された結果のグラフ)ですので、今後もその価格が必ずしも当てになるとは限りませんので注意してくださいね。

どの指標にもいえることだけど、人によって売買のタイミングや考え方は違うし、状況によって値動きは変わるから、価格帯別出来高だけでは判断できないよね!
まとめ
- 価格帯別出来高とは、過去に売買が成立した株数を価格帯ごとに集計したもの(今までに売買された結果のグラフ)
- 価格帯別出来高の棒グラフが横に長く伸びているほど、過去にそこで売買した人が多かったことを示している
- 価格帯別出来高は抵抗ラインになりやすいため、株価の上昇や下落がそこで止まることが多い(上値抵抗ラインまたは下値抵抗ラインとなる)
- 出来高が多い価格帯を抜けたときには大きな抵抗が起こらないため、どちらかの方向に動きはじめると急激に上昇または下落することがよくある
- 出来高が多い価格帯は反対売買が多く出るため値動きが重く、出来高が少ない価格帯は反対売買が少ないため値動きが軽い傾向にある

株の売買をするとき、投資家の心理を読むこともとても大事なことですよね。
価格帯別出来高も他の指標と合わせて参考にしてみてくださいね。
ここまでお疲れさまでした♪
次の「株基礎(12)」では「移動平均線」について学びますよ^^
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