お世話になります。はいさび です。
チャートをみながら株価や出来高などの変動パターンを分析し、今後の相場の動きを予想する“テクニカル分析”。
テクニカル分析の手法はいくつも存在しますが、多くの投資家さんに人気があるもののひとつが「一目均衡表」です。
今回から数回にわたってザックリと「一目均衡表」について勉強していきたいと思います。
今回は、「一目均衡表とは何か?」について学びます。
★今回のポイント★ ①一目均衡表とは、相場の買い方と売り方の均衡(バランス)がひと目でわかる、「時間」を重視したテクニカル分析手法 ②一目均衡表は「ローソク足」と「5つの線」から成り立っている ③5つの線とは、「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」のこと ④「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた部分が「雲」と呼ばれる価格の抵抗帯
一目均衡表とは?
一目均衡表とは?

では、さっそく「一目均衡表(いちもくきんこうひょう)」についてみていきましょう♪
(一目均衡表はチャートに表示することができます。日足(相場の流れをつかむのに期間は3ヶ月)でみるのがオススメですよ)。
「一目均衡表」とは、相場の買い方と売り方の均衡(バランス)がひと目でわかる、「時間」を重視したテクニカル分析手法です。
一目均衡表は、1936年に都新聞の商況部長だった細田悟一さんが「一目山人(いちもくさんじん)」というペンネームで発表した、世界的にも評価の高いとても人気のある指標です。

なんと、2,000人もの人たちと約7年かけて一目均衡表を完成させたそうですよ。

うわぁ~、スゴイ!ローソク足も一目均衡表も日本発のものなんだね!

日本でも一目均衡表を使いこなせる人はたった数人しかいないとされているんです。
ですから、基本のポイントだけでいいので覚えておきましょうね^^

それにしても…一目山人って、面白いペンネームだね。
相場は「売り勢力」と「買い勢力」の力関係・均衡(バランス)が崩れた方向へ動く(買い勢力が強ければ上がっていき、売り勢力が強ければ下がっていく。そして、動き出して方向性が見えればその流れは続く傾向がある)ので、相場の行方は「一目瞭然(いちもくりょうぜん)!ひと目みてわかる」…というところから名付けられたそうです。
一目均衡表は、「売り勢力」と「買い勢力」の「均衡(バランス)」をみながら、いつ相場が変化するのか…など「時間」に着目して相場の動向を予測します。

他のテクニカル分析では「株価の値幅(利益を上げるための分析)」が重要視されますが、一目均衡表では、相場の本質的な変動要因は「値幅」よりも「時間」であり、価格は結果として従うものだとしています。
5つの線とは?

一目均衡表は「ローソク足」と「5つの線」から成り立っています。
一目均衡表の5つの線とは、「転換線(てんかんせん)」「基準線(きじゅんせん)」「先行スパン1(せんこうすぱんいち)」「先行スパン2(せんこうすぱんに)」「遅行スパン(ちこうすぱん)」です。
(先行スパン・遅行スパンは、先行線・遅行線とも呼ばれます(スパンとは時間の幅(期間)のこと))
5つの線 | 特徴 | 線の位置 |
---|---|---|
転換線 | (当日を含めた)過去9日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (短期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 価格にいちばん近いところを動いている |
基準線 | (当日を含めた)過去26日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (中期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 転換線の外側で価格とともに動いている |
先行スパン1 | 転換線と基準線の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (短中期の相場水準、方向性、均衡点を示す) | 上下によく動く (先行スパン2と雲をつくる) |
先行スパン2 | (当日を含めた)過去52日間の高値と安値の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (長期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 横ばいの状態が多い (先行スパン1と雲をつくる) |
遅行スパン | 当日の終値を(当日を含めて)26日前にさかのぼって記入したもの (当日の価格と(当日を含めて)26日前の価格を比較) | 後ろにズレている |

一目均衡表では、9日、26日、52日という数字が重要であると考えられています。
そして、すべて「当日を含める」ということに注意してくださいね。

「中心値(ちゅうしんち)」って、過去の一定期間のいちばん高い値段といちばん安い値段を足して2で割ったものだよね。
たとえば、過去26日間の高値が120円、安値が100円だった場合は、
(120+100)÷2=110円になるんだね。

そう。中心値はその期間の値動きの中心になった価格(相場水準)です。
上昇トレンドでは中心値は上がっていき、下降トレンドでは下がっていきます。
また、もみ合い相場では横ばいや短期的な上下の動きになります。

もしかしたらお気づきかもしれませんが…
一目均衡表は、現在よりも先(未来)に線が伸びている世界的にも珍しいチャートなんですよ!

あっ!そういえばそうだね!面白いなぁ~^^
一目均衡表は日足だけでなく、期間の長い週足や月足などにも、期間が短い5分足などにも同じように使えます。

「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた部分が「雲(くも)」と呼ばれる「(価格の)抵抗帯(ていこうたい)」です。
ぜひ覚えておいてくださいね(後ほど詳しく説明しますね^^)

ホントだっ。雲にみえるね!

一目均衡表は全部まるまるみてこそ精度が高い分析ができるものなので、すべての線と雲をみましょうね。
一目均衡表は、これらのラインの組み合わせや雲をみることで、相場のトレンドや下げ止まり、上げ止まりを予測します。

5つの線のこと、詳しく教えて!

では、次の「株基礎(15)」で説明しますね!

まとめ
- 一目均衡表とは、相場の買い方と売り方の均衡(バランス)がひと目でわかる、「時間」を重視したテクニカル分析手法
- 一目均衡表は、「売り勢力」と「買い勢力」の均衡(バランス)をみながら、いつ相場が変化するのか…など「時間」に着目して相場の動向を予測する
- 一目均衡表は「ローソク足」と「5つの線」から成り立っている
- 5つの線とは、「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」のこと
- 「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた部分が「雲」と呼ばれる価格の抵抗帯

お疲れさまでした♪
次の「株基礎(15)」では、一目均衡表の「5つの線」について学びますよ^^
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