お世話になります。はいさび です。
「一目均衡表」は、「ローソク足」と「5つの線」から成り立っています。
今回は、その「5つの線」について学びます。
★今回のポイント★ ①5つの線とは、「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」のこと ②転換線が基準線を下から上に抜いたときを「(均衡表の)好転(買いサイン)」、転換線が基準線を上から下へ抜いたときを「(均衡表の)逆転(売りサイン)」という ③株価が雲よりも上にあるとき、株価は雲の上限で跳ね返され(雲がサポートする)、 株価が雲よりも下にあるとき、株価は雲の下限で跳ね返される(雲が抵抗する)傾向がある ④遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”上に抜けたら「(遅行スパンの)好転(買いサイン)」、“完全に”下に抜けたら「(遅行スパンの)逆転(売りサイン)」という
5つの線とは?
まずは、一目均衡表の「5つの線」についてサクッと確認してみましょう。
5つの線 | 特徴 | 線の位置 |
---|---|---|
転換線 | (当日を含めた)過去9日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (短期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 価格にいちばん近いところを動いている |
基準線 | (当日を含めた)過去26日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (中期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 転換線の外側で価格とともに動いている |
先行スパン1 | 転換線と基準線の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (短中期の相場水準、方向性、均衡点を示す) | 上下によく動く (先行スパン2と雲をつくる) |
先行スパン2 | (当日を含めた)過去52日間の高値と安値の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (長期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 横ばいの状態が多い (先行スパン1と雲をつくる) |
遅行スパン | 当日の終値を(当日を含めて)26日前にさかのぼって記入したもの (当日の価格と(当日を含めて)26日前の価格を比較) | 後ろにズレている |

転換線と基準線は直近の売買価格帯の相場水準、
先行スパン1と先行スパン2(この2つの線で雲が形成されます)は未来の保有者の購入価格帯層、
遅行スパンは過去との価格比較 を示しています。
転換線、基準線とは?

転換線と基準線は価格とともに上がったり下がったりしています。
「転換線」とは、(当日を含め)過去9日間の高値と安値の中心値をつないだ短期のトレンドをあらわした線です(基準線と交差(クロス)することで「買いサイン」や「売りサイン」を示します)。
「基準線」とは、(当日を含め)過去26日の高値と安値の中心値をつないだ中期のトレンドをあらわした線です(基準線の方向(上向きか下向きかによって)相場の方向性を示す、相場そのものの基準となる線)。
基準線が横ばいのときは方向感がなく、基準線が上昇すると「強気相場」、下降すると「弱気相場」になるといわれています(一般的に、基準線の上昇を伴わない価格の上昇は、上昇そのものが弱いと判断されます)。

転換線と基準線の位置関係によって、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを判断するんだね!

基本的には、転換線が基準線より上にあるときが「上昇トレンド」、転換線が基準線より下にあるときが「下降トレンド」です。

この2つの線の関係って、移動平均線の「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」みたいだね…。

そうですね。でも、転換線も基準線も移動平均線とはまったく別物なんですよ!
一目均衡表では交差(クロス)することを「好転(こうてん)」「逆転(ぎゃくてん)」といいます。
基準線の下にあった転換線(短期線)が上昇してきて基準線(中期線)を下から上に抜いたときを「(均衡表の)好転(買いサイン)」といい、
基準線の上にあった転換線(短期線)が下落してきて基準線(中期線)を上から下へ抜いたときを「(均衡表の)逆転(売りサイン)」といいます。

「好転」は強気相場になった、「逆転」は弱気相場になった…と、大きなトレンドの変化を示しています。

つまり、上昇トレンドでは上にあるのが転換線、下に基準線。
下降トレンドでは上にあるのが基準線、下に転換線 になるんだね!

今の価格がクロスした点より上にあれば、短期勢力も中期勢力も「買い」優勢、
今の価格がクロスした点のところにあれば、短期勢力も中期勢力も「売り」「買い」均衡、
今の価格がクロスした点より下にあれば、短期勢力も中期勢力も「売り」優勢 とみます。
先行スパン1、先行スパン2、雲とは?
「先行スパン1」とは、転換線と基準線の中心値をつなぎ、(当日を含め)26日先に記した短中期のトレンドをあらわした線です。
「先行スパン2」は、(当日を含め)過去52日間の高値と安値の中心値をつなぎ、(当日を含め)26日先に記した長期のトレンドをあらわした線です。
そして、「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた部分が価格の抵抗帯である「雲」です。

「雲」とは価格の抵抗帯である…ってどういうこと?

「雲」は株価(ローソク足)の「支持帯(しじたい)」や「抵抗帯(ていこうたい)」になるんですよ。
株価が雲よりも上(上昇トレンド)にあるとき、株価は雲の上限で跳ね返される(株価が落ちてきても雲が支えて(サポートして)下落させない)、
株価が雲よりも下(下降トレンド)にあるとき、株価は雲の下限で跳ね返される(株価が上がってきても雲が抵抗(壁)となり上昇を阻む) ということです。
また、株価が雲の中で動いているときは、雲の上限線が上値抵抗ライン、雲の下限線が下値抵抗ラインとなりやすい性質があります(雲の中でもがきます)。

雲の厚さは支持や抵抗の強さをあらわしており、厚ければ厚いほど強い抵抗となるんですよ。

雲を突き抜けるには買いにも売りにも強い勢いが必要なんだね!

雲を抜けてからは抵抗が弱まるので、いったん抜けると勢いの強い方向に動きやすくなります。
また、雲が薄いところは抵抗が弱いので、かんたんに雲を抜けることがあります。

だから、雲が薄いところは相場の転換点といえるんだね。

また、先行スパン1と先行スパン2が入れ替わるときが相場の転換点になる可能性があります。
通常、今の株価が雲の上(上昇トレンド)にあるときは、雲の上限が先行スパン1(短中期線)、下限が先行スパン2(長期線)となり、
逆に、今の株価が雲の下(下落トレンド)にあるときは、雲の上限が先行スパン2(長期線)、下限が先行スパン1(中期線) になります。

今の価格が先行スパン2より上にあれば、長期勢力は「買い」優勢、
今の価格が先行スパン2と同じ位置にあれば、長期勢力は「売り」「買い」均衡、
今の価格が先行スパン2より下にあれば、長期勢力は「売り」優勢 とみます。
遅行スパンとは?
「遅行スパン」とは、当日の終値を(当日を含め)26日前にさかのぼって記した線です。

遅行スパンは他の線と違って後ろにズレているのが特徴です。
(当日を含め)26日前の株価と当日の株価を比較して売買のタイミングを見つけるためのもので、一目均衡表の構成要素でもっとも重要とされているんですよ!

(当日を含め)26日前に記した現在の株価が、(当日を含め)26日前の株価よりも高いのか安いのか…っていうことだね。
当日の株価が(当日を含め)26日前の株価よりも高いとき、26日前にその株を購入した人は今の時点で“含み益”の状態 であり、
逆に、当日の株価が(当日を含め)26日前よりも安いとき、26日前にその株を購入した人は今の時点で“含み損”の状態 になっています。
遅行スパンが(当日を含め)26日前の株価を上回るか下回るかで、相場の転換(強気相場か弱気相場か)をあらわしています。

遅行スパンが(当日を含め)26日前の株価より上にあると「上昇トレンド」、下にあると「下降トレンド」っていうことだね。

遅行スパンが株価(ローソク足)より上にある場合、買った人がまだたくさんいる=「買い」優勢、
逆に、遅行スパンが株価(ローソク足)より下にある場合、売った人がまだたくさんいる=「売り」優勢 と判断できます。

今、株を持っている人が「買い」と「売り」のどちらに多いのかを判断するんだね!
遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”上に抜けたら「(遅行スパンの)好転(買いサイン)」といい、
逆に、遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”下に抜けたら「(遅行スパンの)逆転(売りサイン)」といいます。

“完全に抜ける”というのが売買サインの条件ですよ!
「25日移動平均線」と「遅行スパン(当日を含め26日前)」はよく似ています。
遅行スパンが「好転」状態なら25日移動平均線は上昇、遅行スパンが「逆転」状態なら25日移動平均線は下降します。
まとめ
- 転換線とは、(当日を含め)過去9日間の高値と安値の中心値をつないだ短期のトレンドをあらわした線
- 基準線とは、(当日を含め)過去26日の高値と安値の中心値をつないだ中期のトレンドをあらわした線
- 先行スパン1とは、転換線と基準線の中心値をつなぎ、(当日を含め)26日先に記した短中期のトレンドをあらわした線
- 先行スパン2とは、(当日を含め)過去52日間の高値と安値の中心値をつなぎ、(当日を含め)26日先に記した長期のトレンドをあらわした線
- 遅行スパンとは、当日の終値を(当日を含め)26日前にさかのぼって記した線
- 転換線が基準線を下から上に抜いたときを「(均衡表の)好転(買いサイン)」、転換線が基準線を上から下へ抜いたときを「(均衡表の)逆転(売りサイン)」という
- 先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を「雲」といい、雲は価格の抵抗帯となる
- 株価が雲よりも上にあるとき、株価は雲の上限で跳ね返され(雲がサポートする)、
株価が雲よりも下にあるとき、株価は雲の下限で跳ね返される(雲が抵抗する)傾向がある - 雲の厚さは支持や抵抗の強さをあらわしており、厚いほど強い抵抗がある(雲が薄いところは相場の転換点)
- 遅行スパンが株価(ローソク足)より上にある場合は「買い」優勢、下にある場合は「売り」優勢
- 遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”上に抜けたら「(遅行スパンの)好転(買いサイン)」、“完全に”下に抜けたら「(遅行スパンの)逆転(売りサイン)」という

お疲れさまでした♪
次の「株基礎(16)」では、一目均衡表における強い売買サイン「三役好転」と「三役逆転」について学びますよ^^
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