お世話になります。はいさび です。
「一目均衡表」は多くの投資家さんにとても人気の指標です。
使いこなすのはとても難しいのものですが、基本だけでもおさえておきたいですよね?
今回は、一目均衡表における強い売買サイン「三役好転」と「三役逆転」について学びます。
★今回のポイント★ ①三役好転とは、一目均衡表における強い「買い」サインのこと ② ①均衡表の好転→②遅行スパンの好転→③株価(ローソク足)が雲を上に抜ける…という3つの条件をすべて満たしたら「三役好転」 ③三役逆転とは、一目均衡表における強い「売り」サインのこと ④ ①均衡表の逆転→②遅行スパンの逆転→③株価(ローソク足)が雲を下に抜ける…という3つの条件をすべて満たしたら「三役逆転」
三役好転、三役逆転とは?

まずは、一目均衡表の「5つの線(転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパン)」についてサクッと復習してみようね!
5つの線 | 特徴 | 線の位置 |
---|---|---|
転換線 | (当日を含めた)過去9日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (短期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 価格にいちばん近いところを動いている |
基準線 | (当日を含めた)過去26日間の高値と安値の中心値をつないだ線 (中期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 転換線の外側で価格とともに動いている |
先行スパン1 | 転換線と基準線の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (短中期の相場水準、方向性、均衡点を示す) | 上下によく動く (先行スパン2と雲をつくる) |
先行スパン2 | (当日を含めた)過去52日間の高値と安値の中心値をつないだ線で(当日を含めて)26日先に記入したもの (長期的な相場水準、方向性、均衡点を示す) | 横ばいの状態が多い (先行スパン1と雲をつくる) |
遅行スパン | 当日の終値を(当日を含めて)26日前にさかのぼって記入したもの (当日の価格と(当日を含めて)26日前の価格を比較) | 後ろにズレている |
5つの線のポイントをまとめると…
①転換線が基準線を下から上に抜いたときが「(均衡表の)好転(買いサイン)」、上から下へ抜いたときが「(均衡表の)逆転(売りサイン)」
②株価が雲よりも上にあるとき、株価は雲の上限で跳ね返され、株価が雲よりも下にあるとき、株価は雲の下限で跳ね返される傾向がある
③遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”上に抜けたら「(遅行スパンの)好転(買いサイン)」、“完全に”下に抜けたら「(遅行スパンの)逆転(売りサイン)」

では、これを踏まえたうえで「三役好転(さんやくこうてん)」と「三役逆転(さんやくぎゃくてん)」という売買サインについてみていきましょう♪
三役好転とは?
「三役好転」とは、一目均衡表における強い「買い」サインです。

“三役”とは、条件を3つ満たしてこそ成り立つ…という意味です。
「三役好転」の順番は、
①均衡表の好転(転換線が基準線を下から上に抜く(基準線は上向きか横ばい))
②遅行スパンの好転(遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”上に抜ける)
③株価(ローソク足)が雲を上に抜ける

基本的に、均衡表が好転すると数日しないうちに遅行スパンが好転します。
そして、遅行スパンが好転してからある程度経ってはじめて、株価(ローソク足)が雲を上に抜けます。
(遅行スパンは当日の株価(終値)を(当日を含め)26日前にずらして記しているため、遅行スパンが株価(ローソク足)をクロスしたら、実際にそれが起こっているのはクロスした日から(当日を含め)26日後 ということになります。

この条件をすべて満たしたら「三役好転」なんだね!

まず、均衡表が好転(短期勢力と中期勢力が「買い」優勢になった)、
つづいて、遅行スパンが好転(長期勢力も「買い」優勢になった)、
その後、株価(ローソク足)が雲を上に抜ける…ということなんです。
三役逆転とは?
「三役逆転」とは、一目均衡表における強い「売り」サインです。

「三役好転」の逆バージョンです!
「三役逆転」の順番は、
①均衡表の逆転(転換線が基準線を上から下に抜く(基準線は下向きか横ばい))
②遅行スパンの逆転(遅行スパンが過去(当日を含め26日前)の株価(ローソク足)を“完全に”下に抜ける)
③株価(ローソク足)が雲を下に抜ける

ホントに三役好転の真逆なんだぁ…。この条件をすべて満たしたら「三役逆転」だね!

「三役好転」の逆で、「三役逆転」は、短期勢力も中期勢力も長期勢力も「売り」優勢になったということです。
売買のタイミング

単純に株価が雲を抜けたからといって「三役好転」や「三役逆転」にはならないんだね。
“3つの条件”がちゃんと揃わないと!それから、“順番”も大事だよね!

基本的には上記の順番になります。
しかし、通常は均衡表が好転(逆転)してから数日で遅行スパンが好転(逆転)しますが、この2つのサインが出るタイミングは近いため、少しの値動きの変化で(①と②の)順番が変わることがある…と覚えておいてくださいね!

へぇ~。でも、「三役好転」「三役逆転」をしっかり確認してから売り買いすればいいんでしょ?

じつは、そのタイミングでの売り買いだと(小さなトレンドの場合)遅すぎるということがよくあるんです。
ですから、均衡表が好転(逆転)したときに仕掛ける人もいますが、この場合、早めの段階での判断になるため、“ダマシ”がよくあるので注意が必要です。
一般的には、
均衡表の好転・逆転は、早めの売買サイン。
遅行スパンの好転・逆転は、やや早めの売買サイン。
三役好転・三役逆転は、遅めの売買サイン となります。

ただし、こういったことは(上昇か下降かどちらかの)トレンドがある場合の話です。
もみ合い相場のときには使えないので気をつけてくださいね。
(上昇か下降かどちらかの)トレンドがある場合、線と線の間隔は開きます(すべての線が支持線・抵抗線となります)。
しかし、もみ合い相場の場合、5つの線が横ばいになってくっつくように動くため(線がもつれ合ったりするため)判断できません。

もみ合いの中心から上がったらその分下がり、下がったらその分上がる…というように動きますが、その動きに変化があったとき、もみ合い放れが起き、放れた方向へトレンドができます。
まとめ
- 三役好転とは、一目均衡表における強い「買い」サインのこと
- ①均衡表の好転→②遅行スパンの好転→③株価(ローソク足)が雲を上に抜ける…という3つの条件をすべて満たしたら「三役好転」(①と②の順番は入れ替わることがある)
- 三役好転は、短期勢力も中期勢力も長期勢力も「買い」優勢になったということ
- 三役逆転とは、一目均衡表における強い「売り」サインのこと
- ①均衡表の逆転→②遅行スパンの逆転→③株価(ローソク足)が雲を下に抜ける…という3つの条件をすべて満たしたら「三役逆転」(①と②の順番は入れ替わることがある)
- 三役逆転は、短期勢力も中期勢力も長期勢力も「売り」優勢になったということ
- 一般的には、均衡表の好転・逆転は早めの売買サイン、遅行スパンの好転・逆転はやや早めの売買サイン、三役好転・三役逆転は遅めの売買サインとなる(早めのサインで仕掛けるときはダマシの場合があるので注意すること)
- こういったサインが有効なのはトレンドがある相場の場合であり、もみ合い相場では使えない

お疲れさまでした♪
つぎの「株基礎(17)」では、一目均衡表の「3大理論(時間論、波動論、水準論)」について学びますよ^^
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