お世話になります。はいさび です。
いざ「株取引するぞ!」と思っても、どの株をどのタイミングで買ったり売ったりすればいいのか…それが難しいんですよね(泣)。
「安いときに買って、高いときに売る」のはわかっているけれど、そもそもその株が安いのか高いのかをどうやって判断すればいいのでしょうか??
多くの投資家さんは、売買の判断をするためにいくつかの指標をみて取引しています。
代表的な指標として「PER(株価収益率)」「PBR(株価純資産倍率)」「ROE(株主資本利益率)」というものがあります。
今回はもっともポピュラーな「PER」について学びます。
★今回のポイント★
①PER(株価収益率)は、会社の1株あたりの純利益と比べて、今の株価が割安かどうかをみる指標
②PERをみることで、今投資している(または投資しようとしている)銘柄への投資分をどれくらいの期間で回収できるのかみることができる
③PERの数値が高いと今の株価は割高、低いと今の株価は割安と判断される(日本の上場企業の平均であるPER15倍を基準とする)
PER(株価収益率)とは?

PERってどういう意味なの!?難しそうだね…。

PER(ぴーいーあーる)は株価収益率(かぶかしゅうえきりつ)のことで、
Price Earnings Ratioの頭文字です。
今の株価が割安かどうかをみる指標なんですよ。
「PER(株価収益率)」とは、会社の1株あたりの純利益と比べて、今の株価が割安かどうか(今の株価が1株あたりの純利益の何倍になっているか)を見る指標です。
株価と企業の収益力を比較することにより、投資価値を判断する際に利用されます。
PER(株価収益率)=株価÷EPS(1株あたりの純利益)で算出します。

えっ?…EPSとか純利益って何?まず、そこから教えて!
EPS(1株あたり純利益)とは?

EPS(いーぴーえす)は1株あたり純利益(ひとかぶあたりじゅんりえき)のことで、
Earnings Per Shareの頭文字です。
企業の収益力(成長性)を判断する際に利用されます。
「純利益」とは、当期(1年間)の事業活動で企業が稼いだ利益から税金などを差し引いた、最終的に企業が儲けた利益(株主の取り分である純粋な利益(税引き後利益))のことです。
「EPS(1株あたり純利益)」とは、1株あたりの最終的な当期純利益がどれくらいなのかを示すものであり、EPSの数値が高いほどその企業の収益力は高く、低いほど企業の収益力は低いと判断されます。
EPS(1株あたり純利益)=純利益÷発行済み株式数で算出します。

たとえば、純利益が1,000万円、発行済み株式数が10万株の場合、
EPSは、1,000万円÷10万株=100円となります。

この会社の利益は1株当たり100円ということだね。
EPSは数値が高い方がいいのはわかったけど、どういった場合に高くなるの?

「純利益が増えた場合」または「発行済み株式数が減った場合」のどちらかによりEPSは高くなるんですよ。
“発行済み株式数が減る理由”は大きく2つあります。
まず、企業が「自社株買い(じしゃかぶがい)」をした場合。
(企業が発行した株式を買い戻すこと。企業は買い戻した後に消却することで発行済み株式数を減らすことができます(1株当たりの利益や資産価値を向上させることになります))。
自社株買いを定期的におこなっている企業は、株主への利益還元に積極的だと判断できるといわれています。
または、「株式併合(かぶしきへいごう)」をした場合。
(2株を1株に併合するなど、複数の株式を1株に統合すること。理論上株価は2倍になります)。

発行済み株式数って、会社が定款で決めている株式数(発行可能な株式総数)のうちで、すでに発行した株式数のことだよね!
過去を遡ってEPSの推移を見れば企業の成長度がわかりますが、EPSは企業が発表する来期以降の予想数値(予想EPS)を使っています。

なぜなら、株価は将来の業績がどうなるかを予測して動くからです。
ですから、あくまでも目安として捉えてくださいね^^
PER(株価収益率)とは?

では、PERの説明に戻りますね。
PER(株価収益率)=株価÷EPS(1株あたりの純利益)で算出します。
たとえば、今の株価が1,000円、EPSが100円だとしたら…
1,000円÷100円=PER10倍となります。

これは、10倍の値段がついている…という意味です。
ちなみに、PER(株価収益率)=時価総額÷純利益でも算出できます。
(時価総額は…株価×発行済み株式数、純利益は…発行済み株式数×EPSで算出します)

…10倍の値段ってどういうこと?

10年先の利益までが今の株価に含まれている…つまり「今の株価と同等の投資資金を回収するのに10年かかる(純利益10年分で時価総額と同じになる)」ということですよ。

…えっ!?よくわからないよぉぉ…(*_*;

この企業が10年間同じ利益を継続すれば、毎年100円ずつ株主の取り分(純利益)が増えるので、株価が上昇しなくても10年で投資資金の1,000円を回収できますよ…ということです。

そういうことかぁ!
PERをみることで、今投資している(または投資しようとしている)銘柄への投資分をどれくらいの期間で(何年くらいで)回収できるのかザックリと見ることができるんだね!

そのため数値が低いほうが割安だといえます。
PERの数値が高いと今の株価は割高、低いと今の株価は割安とみます。

PER20倍の値段で買うのと、PER10倍の値段で買うのとを比べたら、10倍の値段で買えた方がお得(割安)だもんね。
ところで、PERって何倍くらいだといいの?
日本の上場企業の場合、だいたいPER15倍が平均とされています。
PER15倍を基準として、(将来性が高い企業の)PERが15倍よりも高ければ割高、15倍よりも低ければ割安と判断される傾向にあります。

ただし、これもやはりあくまで目安であり、判断材料のひとつにすぎません。
PERは株価の変動や業績によって変わるため、必ずしもその年数で投資資金を回収できるとはいいきれないからです。
市場全体の平均PER、業種全体や同業他社の平均PERと比較したり、その企業の過去のPERの推移をみて今の株価が割高か割安かを判断するなどしましょう。

市場全体のPERをみるのはわかるけど、どうして業界や同業他社のPERをみる必要があるの?

じつは、PERは業界によって大きく異なるんです。
なぜかというと、業界によって成長力や安定力などに違いがあるからです。
とくにIT系企業やそのときの人気業種のPERは高くなりやすい傾向があります(PERが100倍くらいになることもあります)。

PERが高すぎると急落するリスクがあるため、より慎重にその銘柄の分析をおこないましょうね。

PER100倍!?極端すぎる場合は手を出さないほうがいいかもね(゚д゚)
今後の成長性が期待される企業ほど将来の株価上昇を期待して「買いたい!」と思う投資家が増えるため(その結果株価が上昇して)PERが高くなるという傾向があります(ほとんどの有名企業のPERはすでに高い状態です)。

成長が期待できる優良企業でPERが低い銘柄を見つけられればチャンスかもしれませんね^^
PERが低くても、業績が悪化していきそうな将来性のない銘柄は割安とはいえません(PERがさらに低くなってしまう可能性があります)。
逆に、PERが高いからといって、買ってはいけないともいいきれません(今後の業績に期待ができる将来性のある銘柄ならば、PERが少し高い状態で買っても、さらに高くなる可能性があります)。

また、現在のPERが15倍以下だとしても、過去のPERより高くなっていることがあります。その場合、割安だとはいえません。

そうだね。PERだけでもいろいろな方向からみる必要があるんだね。
他の指標や業績や将来性などもあわせて確認しないとね!

それから、PERは将来的な株価の予想にも使うことができるんですよ。
株価=EPS(1株あたりの純利益)× PER(株価収益率)で算出します。
たとえば、株価1,000円、EPS100円、PER10倍の銘柄の場合…
PERが5倍になると、EPS100円×PER5倍=株価500円
PERが15倍になると、EPS100円×PER15倍=株価1,500円 となります。

この場合、この企業が優良企業であれば、平均であるPER15倍(予想株価1,500円)くらいまではいくかも…と、目安にすることができるんですよ。

へぇ~、これは参考になるね!
まとめ
- PER(株価収益率)とは、会社の1株あたりの純利益と比べて、今の株価が割安かどうか(今の株価が1株あたりの純利益の何倍になっているか)をみる指標(株価と企業の収益力を比較することにより、投資価値を判断する際に利用される)
- PER=株価÷EPSで算出する(時価総額÷純利益でも算出できる)
- 純利益とは、当期(1年間)の事業活動で企業が稼いだ利益から税金などを差し引いた、最終的に企業が儲けた利益
- EPS(1株あたり純利益)とは、1株あたりの最終的な当期純利益がどれくらいなのかを示すもの(企業の収益力(成長性)を判断する際に利用される)
- EPS=純利益÷発行済み株式数で算出する。EPSの数値が高いほどその企業の収益力は高く、低いほど企業の収益力は低い
- PERを見ることで、今投資している(または投資しようとしている)銘柄への投資分をどれくらいの期間で(何年くらいで)回収できるのかみることができる
- PERの数値が高いと今の株価は割高、低いと今の株価は割安(PER15倍を基準とする)
- 市場全体の平均PER、業種全体や同業他社の平均PERと比較したり、その企業の過去のPERの推移をみて今の株価が割高か割安かを判断する必要がある
- 今後の成長性が期待される企業ほどPERが高くなるという傾向がある(ほとんどの有名企業のPERはすでに高い状態。成長が期待できる優良企業でPERが低い銘柄を見つけられればチャンスかも!?)
- PERは将来的な株価の予想にも使うことができる(株価=EPS×PERで算出)

PERは会社四季報や証券会社の公式サイトなどに載っています。
長丁場、お疲れさまでした♪
つぎの「株基礎(6)」では「PBR」「BPS」について学びますよ^^
よろしければ↓こちらへどうぞ

コメント
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